今日のみ言葉【No.2714】(2021年12月27日)「キリスト教イロハ(208)『ローマ人への手紙』」

それは、今の時に、神の義を示すためであった。こうして、神みずからが義となり、さらに、イエスを信じる者を義とされるのである。
(ローマ3:26)

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ラブソングは特定の一人の人のために書かれています。

ところが、それを聞いた多くの人が、いつの間にか自分のためのラブソングとして歌っているのはなぜでしょう?

共通する部分があるからです。

聖書にある手紙も同じで、その当時の特定の人へ、目の前の問題を解決するために書き送られました。

2000年前の個人的私信であるはずの手紙ですが、その内容が時間・空間・人種の壁を越えて共通するものがあり、神の御心を知る手がかりとなったのです。

さらに、長い「時のふるい」にかけられ、まさしくこれこそ信仰の規範となるのにふさわしい文書だと人々から認められ、新約聖書の中にまとめられました。

これからパウロ書簡が続きますが、そのような背景を理解した上で読み進めて参りましょう。

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宗教改革者のルターは、ローマ人への手紙を評して、

「新約聖書の中の最高の書物であり、最も純粋な福音である」

と述べています。

ローマ人への手紙は、使徒パウロによって紀元57年頃に書かれました。

1世紀の聖書時代の世界観は、地中海を中心として考えられ、西の果てがイスパニヤ(今のスペイン)でした。

パウロは西方の世界の果てであるイスパニヤへの伝道を計画していたので、ローマへ行くことを願っていました。

そこで、その準備をすると共に、自らの信仰と神学をローマの信徒に伝え、彼らからの援助を得たいと考えていたのです。

従って、ローマ人への手紙の中心思想は、「福音とは何か」ということになります。

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人間の側から「福音」を見ると、罪がゆるされ、神の目から義と認められた自分の命が救われ、神から永遠の祝福を得ることです。

しかし、神の側から見た時に、福音、つまり「良き知らせ」とは、神が「義」、すなわち「正しい」ということです。

「それは、今の時に、神の義を示すためであった」
(ローマ3:26)

人間の側から十字架を見ると、それは自分の身代わりのための御子の死ですが、神の側から見ると、それは神の義を証明するためのものとなります。

神が罪の裁きをするためには、神御自身が義であることが必要です。

そのために、

「神みずからが義となり、さらに、イエスを信じる者を義とされるのである」
(ローマ3:26)

となったのです。

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神学的論文とも言えるローマ人への手紙は、解説書や聖書がわかる人の手引がないと理解しづらい箇所があります。

しかし、この書は福音とは何かを知らせるため、そして、神の義を理解させるために書かれたのだという2つのことを念頭に置いて読んでいけば、徐々にわかっていきます。

内容は以下の通りです。

(1)序言(1章1節〜1章17節)

(2)個人の救い(1章18節〜8章)

(3)全人類の救い(9章〜11章)

(4)実際道徳の問題(12章〜15章13節)

(5)結び(15章14節〜16章)

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わかるところを大事にしながら、ローマ人への手紙を読んで参りましょう。

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