今日のみ言葉【No.2713】(2021年12月25日)「最も弱い人」
御使たちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼たちは「さあ、ベツレヘムへ行って、主がお知らせ下さったその出来事を見てこようではないか」と、互に語り合った。そして急いで行って、マリヤとヨセフ、また飼葉おけに寝かしてある幼な子を捜しあてた。
(ルカ2:15-16)
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牧師の説教の裏話をひとつ。
神学校の説教学の時間、熟練した牧師からこう習いました。
「礼拝説教をする時、いきなり聖書から話をしてはいけないよ」
何のことかと思いましたが、理由を聞いて納得しました。
「教会に来た人の中には、まだ『この世』を引きずっている人がいる。ある人はお金のことを考え、ある人は家族の問題が気になって仕方がない。そこに霊的な話をしてもついて来られなくて、平行線のまま説教が終わってしまう」
ですから、どの牧師も最初の「つかみ」の話には気を使います。
まだ「この世」に半分足を引っ掛けている聴衆と共通の地盤に立ち、なおかつ、その後に語る霊的話の伏線となる話を選ぶのです。
それを聞いただけでも良かったという序盤の「おみやげ」として持っていってもらおうとする話は、説教の中でも聞きどころのひとつです。
さて、「これはいい!」と思う話は、誰かに教えてあげたくなります。
あなたが最初に「あの人に」と思う人は誰でしょうか。
「あなたを救う方が来られた」という良き知らせを、神が一番最初に告げたのは誰だったでしょう?
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それは権力を持った王様だったでしょうか?
東方からはるばる高価な贈り物を持ってやって来た博士たちだったでしょうか?
神が最初に良き知らせを伝えたのは、野にいた羊飼たちでした。
キリスト降誕のクリスマスの時、人々はローマ帝国の命令でそれぞれの生まれ故郷で登録をしなければなりませんでした。
これは人頭税と言って、税金の徴収をするための人口調査だったのです。
しかし、羊飼たちはその例から漏れていました。
なぜなら、彼らから税金を取ることなど期待されないほど貧しかったからです。
つまり、羊飼たちは、数に入らない、無に等しい人たちとして見られていたのです。
その羊飼たちに天使が現れ、救い主誕生の知らせを告げたのです。
神の目は最も弱い人に注がれています。
クリスマスの良き知らせをいただける人は、基準を満たさない、欠けのある人です。
自分こそそのような存在だと知る時、あなたは羊飼たちと共に、良き知らせを自分のものにできるのです。
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今年一年を振り返って、あなたはどんな失敗をなさいましたか?
悔しい思い、切ない思い、苦々しい思い、…。
自分のせいでああなったと思うと、心がギュッと絞られるような出来事があったことでしょう。
しかし、クリスマスはそのような私のためにあるのだと聖書は語るのです。
うまく行かない自分であるからこそ、救い主イエスは誕生なさいました。
失敗を隠さず、「それが自分だ」と認め、自分には救い主が必要だと考えを変えて進むことが、
「飼葉おけに寝かしてある幼な子を捜しあてた」
(ルカ2:16)
ということになるとは、何という逆転劇でしょうか。
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神は最も弱い者に最も近いのです。
自分の罪と弱さを受け入れ、救い主をお迎えするクリスマスとして今日を過ごして参りましょう。
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