今日のみ言葉【No.2659】(2021年10月21日)「キリスト教イロハ(189)『エゼキエル書』」

主なる神はこれらの骨にこう言われる、見よ、わたしはあなたがたのうちに息を入れて、あなたがたを生かす。
(エゼキエル37:5)

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エゼキエル書を一度読んだが、ほとんどわからなかったという印象を持つ人がおられるでしょう。

また、世の一般書物を先に読んだせいで、この書にSF的印象を持つ方もおられるでしょう。

彼の真の姿は、若くしてバビロンに補囚され、現実のあまりの惨状に神を見失いかけた人なのです。

しかし、彼は神からの命を受け、異国バビロンで補囚となった民に向かって、預言者として語り続けます。

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エゼキエル書の内容は、

(1)イスラエルの罪と審判(1〜24章)

(2)諸外国に対する預言(25〜32章)

(3)イスラエルの復興(33〜48章)

となっています。

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エゼキエル書の預言の中心は、神に立ち返って生きよ、ということです。

「わたしは何人との死をも喜ばないのであると、主なる神は言われる。それゆえ、あなたがたは翻って生きよ」
(エゼキエル18:32)

イスラエルの元々の使命は、神の存在を全世界に知らせ、その祝福を地上にもたらすことでした。

しかし、彼らは外面的繁栄を遂げる中で、神のことを考えなくなりました。

やがて国は南北に分裂します。

そして、北はアッシリアに、南はバビロニアに滅ぼされてしまうのです。

預言者エゼキエルはバビロンにおいて補囚の民となりましたが、彼はイスラエルの復興を預言しました。

枯れた骨の預言はその代表的なものです。

「主なる神はこれらの骨にこう言われる、見よ、わたしはあなたがたのうちに息を入れて、あなたがたを生かす」
(エゼキエル37:5)

イスラエル民族の現状が、死んだどころか骨になっているような状況であったとしても、神は彼らに命を与え、生かすというのです。

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紀元前6世紀のこの預言は、補囚から解放され、エルサレム帰還の勅令がペルシャのクロス王から出されたことで成就しました。

しかし、イエス・キリストを救い主ではないと拒絶したイスラエルは、紀元70年にローマ帝国によって滅ぼされます。

その後、約1900年間、ユダヤ人は国を持たない民族として世界中に離散します。

ところが、20世紀になり、第2次世界大戦後にイスラエルは建国され、再び歴史の表舞台に出現しました。

私たちはエゼキエルの預言が真実であったと目にする時代に生きているのです。

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このようなことを読むと、エゼキエルはスーパーマンのように強い人物であったように思われますが、江口武憲師は次のように講解されています。

「問題は、だがただ指導者の無恥、無策に対する、また民衆の無知、無力に対する憤りと嘆きのみではなかった。神の姿を見失う戦慄があった。イスラエルを選びたもうた神、これを己が民となしたもうた神は、今いずこにいましたもうのであるか。荒野における契約は何であったのか、そもそも神の正義とは何であるのか。自ら問い、自ら答えることのできない問いを胸に抱いて、若きエゼキエルは補囚の群れの中に立っていたのである」
(『エゼキエル書』、江口武憲著、聖文舎、P8)

エゼキエルとて、答のないことに悩み、現実を前にして戸惑う一人の人間でした。

しかし、彼は神に選ばれた者として、ただ忠実に神の言葉を伝えたのです。

「彼らが聞いても、拒んでも、あなたはただわたしの言葉を彼らに語らなければならない」
(エゼキエル2:7)

聞かれなくても語る。

そのことによって、後に、イスラエルの中に預言者がいたことを知らしめるためです。

それが、神がいらっしゃるという神の存在証明となるからです。

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神の言葉を伝える器として、私たちも忠実に生きる今日とさせていただきましょう。

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