今日のみ言葉【No.3522】(2024年12月10日)「父と二人の息子の話(弟編)(4)」

何もかも浪費してしまったのち、その地方にひどいききんがあったので、彼は食べることにも窮しはじめた。
(ルカ15:14)

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「泣きっ面に蜂」という諺があります。

泣いている顔に蜂が飛んできて刺されたら、さらに痛みが加わります。

この諺は、そのような情景から、不幸が重なり状況が悪化する様子を表現しています。

弟息子はまさにこの状況に入ってしまいました。

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ところで、この弟息子は何歳くらいだったのでしょう?

20歳くらいでしょうか?

それとも、遺産相続を考えるくらいなので30代だったのでしょうか?

これは、彼が独身か結婚していたかを考えると推測がつきます。

後に兄息子が、

「遊女どもと一緒になって、あなたの身代を食いつぶした」
(ルカ15:30)

と証言していますから、まず間違いなく独身です。

当時のユダヤでは男性の結婚年齢は18歳です。

従って、彼はその年齢以下。

つまり、彼はまだ若く、現代でいえば高校生くらいの年齢だったのでしょう。

なるほど、それなら弟息子が若さゆえに前後の見境もなくお金を使い尽くし、

「放蕩に身を持ちくずして財産を使い果した」
(ルカ15:13)

となったことが容易に想像できます。

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自分の好き放題にして、自由を乱用した結果、父から受け継いだ財産は全て無くなってしまいました。

そこに飢饉という自然災害です。

当時の人々にとって、それは想定内の事柄ですから、誰もが貯えを持っていたはずです。

しかし、彼は若くて経験が不足していたため、「飢饉とはあるものだ」という当時の常識を、自分の生活感覚として捉えることができていませんでした。

浪費ばかりで生産がない生活をしていた弟息子は、備えがなかったので、飢饉の直撃を受けました。

「何もかも浪費してしまったのち、その地方にひどいききんがあったので、彼は食べることにも窮しはじめた」
(ルカ15:14)

まさに「泣きっ面に蜂」です。

すると、彼の財産のおかげで大いに楽しんだ遊び仲間たちから、

「今まで大変お世話になったから、これまでの分の恩返しをします」

と申し出を受け、この窮地を乗り切った…、などとは聖書に書いてありません。

「金の切れ目が縁の切れ目」という諺は、この時にあるようなものです。

人は、お金があるうちは親切にしたり、良く思ったりする人が多いですが、お金がなくなると、その関係のメリットがなくなるため、関係を続ける意味を見出せなくなります。

彼には全く助けがありません。

このような状況の中で、彼は最下等の生活にまで落ち込んでいったことが記されています。

以下、次回に続きます。

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お金でつながった人間関係は、お金が無くなった時点で切れます。

しかし、愛でつながった関係は、お金が無くなっても、自分が何もできなくなっても続きます。

神の愛でつながれていることを思う今日として参りましょう。

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