今日のみ言葉【No.3283】(2024年 2月 9日)「ただ、御国を求めなさい（2）」
からすのことを考えて見よ。まくことも、刈ることもせず、また、納屋もなく倉もない。それだのに、神は彼らを養っていて下さる。あなたがたは鳥よりも、はるかにすぐれているではないか。
（ルカ12:24）
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「からす なぜなくの からすは山に かわいい七つの 子があるからよ」
野口雨情の作詞による「七つの子」です。
日本人にとって「からす」は、このような心にしみ入る童謡の主人公として親しまれていますが、ユダヤでは違います。
からすは儀式的に汚れたもの、忌むべきものとして分類されています。
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「空の鳥を見るがよい」
（マタイ6:26）
とマタイが記した鳥は「すずめ」であったであろうと考えられています。
すずめは食用として売られても大丈夫な鳥です。
「五羽のすずめは二アサリオンで売られているではないか。しかも、その一羽も神のみまえで忘れられてはいない」
（ルカ12:6）
一方、からすは違います。
「鳥のうち、次のものは、あなたがたに忌むべきものとして、食べてはならない、…、もろもろのからすの類」
（レビ記11:13、15）
とあるように、律法で「汚れたもの」と定められているからです。
その理由は、からすが死骸に群がって食べる習性です。
死体という汚れたものに触れるので
「忌むべきものとして、食べてはならない」
となったのです。
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ところが、ルカによる福音書で、著者ルカは鳥の中でも特に「からす」を選んだ編集をしています。
「からすのことを考えて見よ。まくことも、刈ることもせず、また、納屋もなく倉もない。それだのに、神は彼らを養っていて下さる。あなたがたは鳥よりも、はるかにすぐれているではないか」
（ルカ12:24）
空の鳥の中でも、最も格下で、汚れた存在とされた「からす」。
その「からす」のことを考えて見よ、とイエス様は語られたのです。
人間よりもはるかに劣る鳥の中の、そのまた最低の存在である「からす」。
その「からす」さえも養っていて下さる神様。
それなら、「からす」より「はるかにすぐれている」人間のことを養わないはずがあろうか、とイエス様は語られているのです。
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「七つの子」の作詞をした野口雨情は、明治の知識人たちと同様、キリスト教の教えに触れています。
彼が洗礼を受けたという記録は見出されませんが、内村鑑三の講演会に出席したことは確かです。
特に、「シャボン玉」の歌詞が、讃美歌「主われを愛す」（讃美歌461番）から作られたメロディーに載せて歌われるようになったことと、その歌詞の内容が、先に亡くなった者との天国での再会を想起させることから、キリスト教の影響があったことは間違いないでしょう。
彼には幼くして亡くなった二人の娘がいます。
特に、長女「みどり」は、わずか生後8日で夭折しました。
子供の死を悼む気持ちが「シャボン玉」の2番の歌詞の中に見えます。
「シャボンだま きえた とばずに きえた うまれて すぐに こわれて きえた」
実は「シャボン玉」は2番では終わらず、昭和11年にビクターから発売された「ビクター童謡名作集」には3番と4番の歌詞が収録されているそうです。
3番「シャボンだま とんだ やねより たかく ふうわり ふわり つづいて とんだ」
4番「シャボンだま いいな おそらに あがる あがって いって かえって こない」
結び「ふうわり ふわり シャボンだま とんだ」
野口雨情は、娘たちとの天国での再会を夢見て、希望を持つことのできる歌を作ったのではないでしょうか。
再会の希望の土台は、「からす」をも養って下さる神の愛にあるのです。
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今日も私たちを養って下さる神の愛に目をとめて参りましょう。
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