今日のみ言葉【No.3096】(2023年 6月 5日)「生活の処方箋(50)『忍耐』」

あなたがたの知っているとおり、信仰がためされることによって、忍耐が生み出されるからである。
(ヤコブ1:3)

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物事を実践・実行していない人は、とても筋の通ったことを、整然と語られます。

日々苦闘しながら生きている人にとっては、責められることはあっても、反論できないほど、明解に語られます。

しかし、人生を本気で生きてみると、必ず理論通りに行かないことに突き当たります。

本気で生きている人は、その思うとおりに行かない人生を苦闘しながら戦い、その戦いの中から宝を見出します。

一個の小さなダイヤモンドは、大型トラックに何杯もの鉱石の中から見出されます。

また、伝統的な仕事をなさる職人さんなどは、決して、弟子にすぐには答えを教えないと言います。

教えられた答えは、すぐ忘れるからです。

このように忍耐深く挑戦することによってのみ、いのちある本当のことが分かり、自分のものになるのです。

借りた言葉ではなく、いのちある言葉を見出して語るためにも、今週も、本気で人生を生きてまいりましょう。

(※田中信生の『生活の処方箋』より)

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クリスチャンの信仰生活で、

「人生を本気で生きてみると、必ず理論通りに行かないことに突き当たります」

とは、

「祈ってもかなわない」

「聖書の御言葉を信じてもその通りにならない」

という出来事に突き当たることです。

それは試験の時に範囲外から応用問題を出されたようなものです。

試験範囲内のことなら模範解答を書くことができますが、手引きもされたことがない中でいきなりですから、

「話が違う!」

と面くらい、出題者の神様に抗議したくなります。

しかし、試験には自分の答えを書いて提出しなければ先に進みません。

私が自分自身に言い聞かせ、ひねり出した解答は、

「神様はお前が作った池の中でメダカを釣らせて満足させようとする御方ではないのだ。あなたを大海原に連れて行って、マグロを釣らせたいと願っておられる御方なのだ」

というものです。

これが全ての人に当てはまるとは思いません。

あなたにはあなたならではの答えの出し方があり、自分を納得させて人生を進ませる解答があることでしょう。

人は理不尽と思える出来事の中を忍耐でもって通り抜け、その通り抜ける過程で、神が隠しておられた人生のダイヤモンドを発見するのです。

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熱心なクリスチャン医師、岩村昇先生は、結核を病む人々がいるネパールの村に入り、近代的医療機器を用いて診療を始めました。

しかし、結果は失敗でした。

人々の医療に対する誤解と、絶望的に結核患者が多い現実に直面したのです。

「村人は、エックス線をかけるというすばらしい近代医療によって結核が治るのだと思い込み、滑稽といえば滑稽だが、当人は泣くに泣けないところにはまり込む」
(『治療文化論』、中井久夫著、岩波現代文庫、P101)

そこに偶発事が起きます。

医師である岩村先生自身が細菌性の赤痢にかかってしまったのです。

他にドクターはいませんし、医療材料もありません。

村長は村の呪術医(ふだんは農民)の治療を受けよと勧めます。

岩村医師は、あまりの苦痛に「日本の医学博士」という面子を捨てて呪術医の治療を受けます。

そしてなんと、ケロリと治ってしまったのです!

献身的クリスチャン医師が、土着宗教側の人に神秘的に癒やされてしまったのですから、わけが分かりません。

ここからが人間の理性でつかめる範囲から神の領域に移った段階です。

岩村先生は呪術医の協力者、助手のような働きをするようになりました。

すると、以前は見えなかった「村の病人」が、呪術医の導きで見え始め、どこからどう治療していったらよいかという戦略が立ち始めました。

するとこうなりました。

「呪医はドクターに病人を教え、病人は呪医の紹介と隣席によって安心する。呪医はドクターから少しずつ医療知識を学びはじめる」

「呪医の治療にドクターが技術的に協力し、その他に助言や助力をする。呪医の治療力が上がる。ドクターも協力者・補助者となって治療効果が目に見えて上がる」
(『治療文化論』、中井久夫著、岩波現代文庫、P100)

そして、村の結核は減り始めたのです。

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神様のご計画は私たちの思いを遙かに超えています。

自分の考えに合わないところを通される時、忍耐をもって耐え忍び、苦闘しながら通り抜けましょう。

その先に、神が用意されたダイヤモンドの輝きの人生があります。

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