今日のみ言葉【No.2657】(2021年10月19日)「神の国の価値観（4）」
あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである。
（ルカ6:20）
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オーストラリアに行った時の話です。
かの国の人たちは実にのんびりとしています。
日本人の私が
「とにかく明日、楽になれるように」
と焦ってせかせか急いで仕事をしていた時に、
「丸山。お前が今やっていることは明日やる仕事ではないのか？」
と問われました。
「そうだよ」
と答えると、
「明日できることをなぜ今日やるのだ？」
と言われて、その仕事を止められた時、一瞬頭がクラクラしました。
なぜなら私は
「今日できることをなぜ明日に延ばそうとするのだ」
と言われて育てられてきたからです。
価値観の違い、カルチャーショックとはこういうものです。
自分が当然と思って信じてきたことが、真っ向から否定されるのです。
イエス様が語った神の国の価値観は、この世のそれとは逆転しています。
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まず、富に関する評価です。
私たちは単純に富はあればあるほど良いと考えます。
経済的に豊かであれば、将来の保証が得られ、平安に楽しく暮らすことができると考えた例が聖書に出てきます。
「そして自分の魂に言おう。たましいよ、おまえには長年分の食糧がたくさんたくわえてある。さあ安心せよ、食え、飲め、楽しめ」
（ルカ12:19）
すると神様はこう言われるのです。
「愚かな者よ、あなたの魂は今夜のうちにも取り去られるであろう。そしたら、あなたが用意した物は、だれのものになるのか」
（ルカ12:20）
命を支えるのは神であって、富ではないことがここで教えられています。
富は実生活で大いに力を発揮できますが、究極的な命の支えにはならないのです。
しかし、だからといって、イエス様は富を否定し、貧しさを奨励しているのではありません。
神への信頼がポイントなのです。
富を蓄えた者は自信過剰になり、神への信頼を失いがちになります。
しかし、「貧しい人」は、自らの不足を知り、神に信頼を置いて歩むようになります。
自分には何も無いと思う人ほど、与えられたものを感謝して受け取りますから、結果的に神からの最高のものを得るわけです。
それが
「あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである」
（ルカ6:20）
ということなのです。
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私の神学校時代の話です。
田舎者の私は授業で見るもの聞くものすべてが初めてのことで、全部素晴らしいとしか思えません。
クラスの中に、すでに別の神学校である程度勉強していた人がいました。
その人の授業に対する反応は、
「ああ、あれは○○派の説で、別にこういう説もあるんだよ」
というもので、私は「この人すごいなー！」と思って羨望の眼差しで見ていました。
しばらくたつと、わかってきました。
その人は「ある」と思っていたので、授業の内容が身につかないようでした。
私は「ない」と思っていたので、いただいたものを全部吸収するしかありません。
その差が時間と共にあらわになり、結果としてその人は中途半端な収穫に終わりました。
「ある」と思って出来上がってしまうことの恐ろしさとはこういうものです。
神の前での自らの不足を知り、その神が与えてくださるものに間違いはない、最善であると信頼して物事に取り組む時、
「神の国はあなたがたのものである」
（ルカ6:20）
という世界が広がっていくのです。
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神に信頼を置き、神が与える祝福をすべて受け取り、味わう今日として参りましょう。
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