今日のみ言葉【No.2743】(2022年 2月10日)「キリスト教イロハ(217)『テモテへの第1の手紙』」

あなたは、年が若いために人に軽んじられてはならない。むしろ、言葉にも、行状にも、愛にも、信仰にも、純潔にも、信者の模範になりなさい。
(第1テモテ4:12)

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「牧師は信徒の前では暇そうな顔をしていなければなりません」

とは、私がまだ駆け出しの頃、ある老齢の牧師先生からいただいたアドバイスです。

仕事をバリバリ忙しくやっていて何が悪いのかと思ったので、その真意をお尋ねすると、

「信徒は牧師が忙しそうにしていると、遠慮して声をかけにくいものなのですよ。でも、手持ち無沙汰で、暇を持て余しているようなボーッとした顔をしていると、『今なら話しても良さそうだ』と相談できるものなんです」

なるほど、そういうことかと、牧会の知恵をいただいたことに感謝しました。

先輩パウロが後輩テモテに書き送った手紙がテモテへの第1・第2の手紙です。

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テモテ、テトス、ピレモンへの手紙は牧会書簡と言われています。

教会宛に書かれた手紙ではなく、個人に宛てられた手紙だからです。

しかし、草創期の教会には異教世界との戦いがあり、様々な問題に対処しなければなりませんでしたから、これらの手紙は教会の牧会に大いに役に立ちました。

本書の内容は、

(1)挨拶とテモテへの態度(1章)

(2)信者の心構え(2章)

(3)信仰の指導者の心がけ(3章)

(4)指導者の教えなければならないこと(4章〜6章19節)

(5)テモテへの最後のすすめ(6章20節〜21節)

となっています。

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テモテが牧会していたエペソ教会には年長者がおり、神経が細やかで若いテモテは指導するのに苦労したようです。

パウロは

「あなたは、年が若いために人に軽んじられてはならない」
(第1テモテ4:12)

と励まし、説教という言葉によるメッセージだけでなく、非言語的メッセージを使って指導しなさいとアドバイスしています。

「むしろ、言葉にも、行状にも、愛にも、信仰にも、純潔にも、信者の模範になりなさい」
(第1テモテ4:12)

言葉と言葉でない部分とでは、人は非言語的要素の方を重要視するからです。

たとえば、大きな声で

「私はあなたのことを全然怒っていませんからね!!」

と、しかめっ面をして言う人がいたとしたら、あなたはどっちが本当だと思いますか?

「間違いなくこの人は怒っている」

と判断するでしょう。

私たちは、言葉そのものよりも、非言語的コミュニケーションの方に強く影響を受けるからです。

人は

「言っていることとやっていることが違う」

ということに敏感です。

「言っていることとやっていることが一致している」

という生き方をすることをパウロはアドバイスしているのです。

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神の恵みを受けた分だけ私たちは応答できます。

我力や頑張りで模範になろうとすることなく、恵みによって得た命の分だけ神の姿を反映させていただきましょう。

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