今日のみ言葉【No.2653】(2021年10月14日)「キリスト教イロハ(187)『エレミヤ書』」
しかし主はわたしに言われた、「あなたはただ若者にすぎないと言ってはならない。だれにでも、すべてわたしがつかわす人へ行き、あなたに命じることをみな語らなければならない。
(エレミヤ1:7)
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日本が第二次世界大戦で敗色濃厚となっても、国民は
「日本には神風が吹く」
と信じて勝利を疑いませんでした。
鎌倉時代に元寇が日本に攻めてきた時、台風によって押し戻されてしまった故事を引用していたのです。
しかし、神風は吹かず、日本は無条件降伏をしました。
もし、この戦争前から一貫して40年間、
「このままでは日本は滅びる。無条件降伏となるだろう」
と言い続けた人がいたとしたらどうでしょう。
反逆者、国賊、非国民と罵られ、人々はその人を相手にしないでしょう。
これがエレミヤだったのです。
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エレミヤ書の内容は大きく分けて2つです。
(1)預言者エレミヤの活動(1〜45章)
(2)諸国民への預言(46〜52章)
エレミヤは紀元前650年頃、エルサレム北東の村アナトテに生まれました。
彼は若くして神に選ばれ、預言者として神の務めを約40年に渡って行います。
「あなたはただ若者にすぎないと言ってはならない。だれにでも、すべてわたしがつかわす人へ行き、あなたに命じることをみな語らなければならない」
(エレミヤ1:7)
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当時の南ユダ王国の人々は、真の神から離れ、アッシリアの偶像を拝み、宗教的に混乱していました。
当然、その政治、道徳も乱れます。
国の内情がそのような脆弱なものになりつつある中、外部に目を向けると、そこには二大強国の存在がありました。
南ユダは隣接するエジプトとバビロンに挟まれていたのです。
エレミヤは、このまま神に背いて歩むならば、
「見よ、民が北の国から来る、大いなる国民が地の果から興る。彼らは弓とやりをとる。彼らは残忍で、あわれみがなく、海のような響きを立てる。シオンの娘よ、彼らは馬に乗り、いくさ人のように身をよろって、あなたを攻める」
(エレミヤ6:22-23)
と神の預言を告げました。
彼が神から与えられたメッセージは、南ユダ王国はこのままでは滅びるというものだったので、人々の反感を買い、猛反発が浴びせられました。
しかし、歴史を見ると、エレミヤの預言を無視した南ユダの多くの人々は、預言通り、バビロンの補囚となったのです。
このように、エレミヤの預言者人生は苦労に満ち、報われないものでした。
エレミヤが別名「涙の預言者」と言われる所以(ゆえん)です。
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しかし、エレミヤの預言の中には希望の預言も見られます。
バビロン捕囚から帰還する預言
「見よ、わたしは彼らを北の国から連れ帰り、彼らを地の果から集める。彼らのうちには、盲人やあしなえ、妊婦、産婦も共にいる。彼らは大きな群れとなって、ここに帰ってくる」
(エレミヤ31:8)
救い主メシアと結ぶ新しい契約の預言
「主は言われる、見よ、わたしがイスラエルの家とユダの家とに新しい契約を立てる日が来る」
(エレミヤ31:31)
これらの約束は、エレミヤの涙の中に光る希望です。
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エレミヤ書は悲嘆に満ちていますが、その中にあるイスラエルを救う神の希望を読み取って参りましょう。
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