今日のみ言葉【No.2651】(2021年10月12日)「神の国の価値観(2)」
しかし、聞いているあなたがたに言う。敵を愛し、憎む者に親切にせよ。
(ルカ6:27)
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クイズです。
私たちは今、イエス・キリストを信じるだけで罪ゆるされ、永遠の命が得られるという恵みの時代に生きています。
これを新約時代とし、それ以前を旧約時代とするなら、新約時代はいつから開始されたのでしょう?
次の3つから選んで下さい。
(1)キリスト誕生の時から
(2)公生涯を開始した時から
(3)キリスト復活の時から
正解は(3)です。
復活によって罪のゆるしは保証されたので、恵みの時代の正式スタートはそこからです。
従って、イエス様はモーセの律法を守ることを要求される旧約時代に生きていたことになります。
山上の垂訓は旧約時代の教えだったのです。
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山上の垂訓がキリスト復活前の旧約時代の教えであるなら、もう必要ないのでしょうか?
たしかにその通りです。
山上の垂訓は新約時代のクリスチャンには基本的に適用されません。
モーセの律法はキリストの到来によって廃止されましたが、そこで終わりにはならず、さらにその先があり、キリストによって成就したとあります。
「わたしが律法や預言者を廃するためにきた、と思ってはならない。廃するためではなく、成就するためにきたのである。」
(マタイ5:17)
これはどういうことでしょう?
イエス様が命じた「新しいいましめ」と適合するものは採用されるということです。
「わたしは、新しいいましめをあなたがたに与える、互に愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互に愛し合いなさい」
(ヨハネ13:34)
私たちは、「互いに愛し合う」というフィルターを通して旧約の律法を採用し、自分がなすべき正しいことは何かと考え、選んでいく自由が与えられているのです。
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実は山上の垂訓は、メシアによってモーセの律法が正しく解釈されたものなのです。
その当時、律法は本来の趣旨から外れて曲解され、パリサイ人らが付け加えた膨大な細則を守ることのほうが大切とされていました。
さて、モーセの律法を授けたのはイエス様です。
律法を作られた方なら、その本来の意図を一番良く知っておられます。
そこで、神の国の価値観を正しく教えられたのです。
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三浦綾子さんの小説『塩狩峠』の中で、このことを理解する助けとなるシーンがあります。
主人公の長野は金銭トラブルで左遷された同僚と同じ場所に自らの意志で転勤します。
彼はキリストの愛を実践し、善きサマリヤ人となろうとしたのです。
ところがその同僚に対していくら愛をもって接しても、彼は長野に反抗し、逆に皮肉を言って罵ります。
長野は敵を愛する愛をもって愛そうとしますが、彼はますます捨て鉢になります。
ここで長野は
「ここまでやっているのにどうして分かってくれない!」
と怒り心頭に達するのです。
律法を自分に強制しようとすればするほど、自分の罪があらわにされるという瞬間です。
長野は、罪人のために命を捨てたキリストの愛には到底及ばない人間であることを悟り、律法を守ることによって正しくされるのではなく、罪人の自分を認め、その自分をゆるすキリストを信じることによって義となることを実感します。
あなたも私も同じ罪人という立場に立ち、キリストの愛とゆるしを必要とする存在であるという同じ位置に立って以降、長野の愛は以前のものとは変わり、その愛が同僚に通じていくのです。
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敵を愛する愛は目標であり、そうなれれば素晴らしいですが、それができなければクリスチャンではないというものではありません。
神の国の新しい価値観を学び、少しずつ成長の歩みを進めて参りましょう。
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