今日のみ言葉【No.2644】(2021年10月 4日)「キリスト教イロハ(184)『伝道の書』」
事の帰する所は、すべて言われた。すなわち、神を恐れ、その命令を守れ。これはすべての人の本分である。
(伝道の書12:13)
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伝道の書は箴言を読んだ後に読めと言われています。
神は御心にかなう人には祝福としての知恵を与え、悪人には苦しみの罰を与える、という箴言の哲学だけでは現実世界は通用しないと知った人向けだからです。
「空の空、空の空、いっさいは空である」
(伝道の書1:2)
という人生の空しさを身をもって知る「伝道者」(コーヘレト)が、そこから出発して、人生、生きる価値有りや無しやを論じています。
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伝道の書は原語のヘブル語では「コーヘレト」です。
これは「会衆の指導者」あるいは「集会を召集する者」という意味です。
ギリシャ語訳の七十人訳聖書ではこれを「エクレシアステス」(伝道者)と訳したので、口語訳聖書では「伝道の書」、新改訳聖書では「伝道者の書」とし、新共同訳聖書ではそのまま「コヘレトの言葉」としています。
伝道の書は、最初の第1章から最終章の第12章まで読み進めていくうちに筋が通ってくるような書かれ方はしていません。
この書は大づかみにまとめられたものなのです。
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伝道の書の主題は、人生の一切は空であるから、
「あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ」
(伝道の書12:1)
ということにあります。
「空の空、空の空、いっさいは空である」
(伝道の書1:2)
という強い表現が40回近くあるので、コーヘレトなる著者は相当厭世主義的考え方をしているように思われますが、むしろ彼は生きることを否定せず、
「すべて生ける者に連なる者には望みがある。生ける犬は、死せるししにまさるからである」
(伝道の書9:4)
とあるように、生きることには希望があると教えています。
また、
「光は快いものである。目に太陽を見るのは楽しいことである」
(伝道の書11:7)
と、生きることの喜びを教え、現世での幸福を素直に受け取ることを勧めています。
このように、人生には光も影もあり、また、人も世界も流れ行くはかないものであることを知った上で、しかし、これらのものすべての背後には厳然として神がおられることを伝道者は確信しています。
そして、その神の摂理の御手は、人の思いを越えて行われるのです。
これが伝道の書を解く鍵となります。
ですから、彼は
「事の帰する所は、すべて言われた。すなわち、神を恐れ、その命令を守れ。これはすべての人の本分である」
(伝道の書12:13)
と結論づけているのです。
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神があなたに分け与えられた祝福を感謝して受け取り、今日の一日を大切に生きて参りましょう。
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