今日のみ言葉【No.323】(2012年 6月 4日)
ところが、フェストはユダヤ人の歓心を買おうと思って、パウロにむかって言った、「おまえはエルサレムに上り、この事件に関し、わたしからそこで裁判を受けることを承知するか」。
(使徒25:9)
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時の為政者は権力を振りかざして強引に事を進める一面、他方では人々の歓心を買おうとするものです。
ペリクスもそうでしたが、総督の役職を交代したフェストも同じでした。
任地ユダヤで政治をうまくやるために、ユダヤの主だった人々とうまくやっていこうと考えたのです。
彼はパウロに何の罪も認めませんでしたが、ユダヤ人らの期待を知って、
「おまえはエルサレムに上り、この事件に関し、わたしからそこで裁判を受けることを承知するか」
と、自分の責任を回避できるように巧妙に質問したのです。
そこには、真理に立って物事を裁こうとする意志より、人のご機嫌を伺い、それによって善悪がうやむやにされる、という結果が待っていました。
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私たちが生きる現実には、このようなことがしばしば起きます。
そこだけに目を留めると、人生は悲観的に見えてきます。
しかし、私たちが見るべき点は、矛盾と不正の塗り重ねのように見える世の中で、確かに神の御心は生き、動き、その確かなご計画が進められているということです。
パウロは2年間も放っておかれ、鎖につながれた不自由な生活をしていましたが、このフェストの質問に対し、カイザルに上訴すると訴えました。
フェストは
「おまえはカイザルに上訴を申し出た。カイザルのところに行くがよい」。
という裁決を下し、ここに一気にローマ行きの道が現実化したのです。
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見えない世界の支配者である神に目をとめて今日も歩んで参りましょう。
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