今日のみ言葉【No.2228】(2020年 3月24日)「納税問題(2)」

2020年3月24日

A denarius. / Photo: CNG coins

イエスは彼らの偽善を見抜いて言われた、「なぜわたしをためそうとするのか。デナリを持ってきて見せなさい」。
(マルコ12:15)

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精神科医の樺沢紫苑氏は、うつ病が大分良くなって朝散歩等の運動までできるようになった人は、次にやることとして日記を書けとアドバイスしています。

日記と言っても、朝起きた時の気分はこうで、今日の調子はこのくらいだ、等の数行書けば良いと言います。

それによって、自己洞察力が養われるからです。

自分の現在の状態が把握できないので、もはや無理なのに「まだやれる!」と頑張って人は鬱になります。

自分の今の状態はどうなのかわかる自己洞察力が高まると、鬱になる前に自分にストップがかけられるというわけです。

自分の正しい位置を知ることはこのようにとても重要です。

その位置を揺さぶりにかけ、イエス様を陥れようとしたのがパリサイ人やヘロデ党の人たちでした。

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彼らはこのような甘い言葉をかけてきました。

「先生、わたしたちはあなたが真実なかたで、だれをも、はばかられないことを知っています。あなたは人に分け隔てをなさらないで、真理に基いて神の道を教えてくださいます」
(マルコ12:14)

いかにも尊敬し、頭を下げて教えを請うているように見せ、次の瞬間、ギラリとした刃物のような質問を差し出しました。

「ところで、カイザルに税金を納めてよいでしょうか、いけないでしょうか。納めるべきでしょうか、納めてはならないのでしょうか」
(マルコ12:14)

彼らは最初のほめことばで相手を舞い上がらせ、浮ついた気分で隙が出来るはずだから、そこを切り込もうとしたのです。

ここでイエス様はどのような態度をとられたでしょうか。

「イエスは彼らの偽善を見抜いて」
(マルコ12:15)

とあります。

イエス様は父なる神様との関係が確立していたので、自分のいる位置は人からどう言われようと揺るぎません。

褒められて有頂天になり、腐されて落ち込むのは人の評価で自分を測っているからです。

神という絶対的基準の前で自分はどうあるのかを知っていれば、イエス様のように客観的に自分も相手も見ることができ、ありのままの真実が見えてくるのです。

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彼らの最初の「よいでしょうか」は、税金を納めても悪いことではない、という答を誘い出そうとしています。

そして後半の「べきでしょうか」は、必ず納めなければならない、という答をイエス様に言わせようとしています。

当時のユダヤではローマの税組織が敷かれ、ローマ皇帝カイザルの税金がありました。

しかしユダヤ人の中には様々な派の人々がいて、ローマから課せられる税に対してそれぞれ違った考えを持っていました。

体制側のサドカイ人、ヘロデ党。反体制側のパリサイ人、熱心党。

ですから、この二つの問いに対してイエス様がどう答えようと、必ず誰かが不利となり、反対者が起こされるような仕組みになっていたのです。

これが

「その言葉じりを捕えようとした」
(マルコ12:13)

という企みの本質だったのです。

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私たちは人の評価によって上がり下がりしやすい者なのです。

それを素直に認め、そうならずに平然と見ておられたイエス様の姿になるべく近い者になろうとするのが御心の方向です。

一度ではうまく行きません。

毎日日記を書くことの積み重ねが、やがて自己洞察力という力をつけるように、その都度、自分をあきらめず、神との位置関係を確かめて歩み直すのです。

ゆるされている。神の子とされ、愛されている。

この位置に立っている時、物事の真実が見えてきて、神の示す方向へと信仰の一歩を踏み出す勇気が与えられるのです。

今日も神との関係を新たにし、悔いのない決断をして参りましょう。

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