今日のみ言葉【No.2130】(2019年10月28日)「キリスト教イロハ(25)『黄金律(おうごんりつ)』」

2019年10月28日

だから、何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。これが律法であり預言者である。
(マタイ:7:12)

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お歳暮の定番商品ならぬ「もらって困るお歳暮ワーストランキング」なる調査があります。

1位 「嗜好に合わない食べ物」
2位 「趣味に合わない雑貨や小物」

なるほど、自分の好みに合わない物をもらっても困るという本音が表れています。

3位 「賞味期限の短い食べ物」

これも頷けますが、そうは言っても相手のスケジュールまで把握することは出来ません。

ギフトを贈り、相手に喜んでもらおうとするのにはなかなかの難しさがあります。

これをやれば間違いないというものを「黄金律(おうごんりつ)」と言いますが、お歳暮のことで頭を悩ます時はその黄金律なるものが欲しいものです。

実はそれは聖書の中にあります。

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今日の聖句はイエス様の山上の垂訓の箇所にある言葉です。

「だから、何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。これが律法であり預言者である」
(マタイ:7:12)

最後の「律法であり預言者」とは旧約聖書という意味ですから、

「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」

という短い一文にまとめられたことを実行すれば、旧約聖書全体の神の言葉を実行したのと同じことになるということです。

この通りに行っていれば間違いない、ということからこの聖句は「黄金律(ゴールデン・ルール)」と呼ばれています。

まさにキリスト教倫理の根本を表している言葉です。

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先ほどのお歳暮の例で言えば、これは神様の定番商品のようなものです。

しかし、それよりも私たち日本人はワーストランキングの方が先にピンとくるのではないでしょうか。

それは、中国の孔子の書物『論語』にある次の言葉です。

「己の欲せざるところ、他に施すことなかれ」

自分がしてもらいたくないことは人にもするな、ということです。

キリストの言葉と孔子の言葉は同じ内容を表と裏から表現したようなもので、孔子の方が消極的でキリストの方が積極的です。

確かに自分がしてもらいたくないことをしないでいれば平和でいられます。

しかし、発展性が乏しくなることは容易に想像できます。

イエス・キリストが語る黄金律では、どんどん人と関わっていくことが想像されます。

自分がしてもらいたいことを他者にもせよ、というわけですから、外へ外へと広がっていくのです。

私はこちらの方が創造的で、喜びがどんどん増し加わるように思えます。

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ところが、この黄金律を実際にやってみるとわかりますが、やればやるほど喜びと出会うと同時に、やればやるほど相手のしかめっ面に会うことも増えるのです。

自分は良くても、それが相手の好みに合わないケースにより多く対面するということで、逆にその人に嫌な思いをさせてしまうことになります。

親切だと思ってやったことが、実はお節介だったということです。

その点で、この黄金律は必ず当たる宝くじのようなものだと単純に考えてはならないことがわかります。

「あれ?違うのか?」

とキャッチした時点で、自分が喜びを味わうために相手を利用していたのだな、と気づかなければなりません。

そこから相手に仕えさせていただき、相手のためになるように自分の生き方を転換すること。

それが神の求める愛のあり方であり、御心の方向ということです。

黄金律の生き方は、自分も得をしますが、むしろ他者を愛するためのきっかけとして用いられ、そこから

「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」
(ヨハネ15:13)

という最高の愛を持つ人へと私たちを向かわせるのです。

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人々からしてほしいと望むことを実行し、愛の人へと向かうスタートを切って参りましょう。

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