今日のみ言葉【No.2057】(2019年 7月16日)「山上の栄光の姿(6)」
2019年7月16日
一同が山を下って来るとき、イエスは「人の子が死人の中からよみがえるまでは、いま見たことをだれにも話してはならない」と、彼らに命じられた。
(マルコ9:9)
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家電量販店の人にエアコンの売れ方の法則を教えてもらいました。
山形県の場合、暑くても今のままで乗り切ろうとする人が多いのですが、我慢の限界は
「猛暑日が3日続いた後」
なのだそうです。
お店にドッとお客様が押し寄せます。
しかし、その頃になると先の予定が詰まっていて、実際の工事は秋口になったりする場合があります。
それなら余裕のある春先にでもじっくり構えて品選びをしたら良いのでしょうが、人間なかなかそうは行きません。
ようやく寒い冬が終わった段階でセミの鳴く真夏のことは考えられないのです。
神が人間に全てを明らかにしないのはそういう理由があるからなのかもしれません。
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イエス様は山から下りる時、弟子たちにこう言われました。
「人の子が死人の中からよみがえるまでは、いま見たことをだれにも話してはならない」
(マルコ9:9)
これは3人の弟子たちだけを特別扱いして、秘密を守れと強制したということではありません。
人間の理解の仕方をイエス様がご存知だったからということです。
山上でイエス様の体が光り輝いたということなら、私たちも
「後光が射した」
とか
「オーラが現れた」
等の表現で、なんとなく
「そんなことがあったのだろう」
と理解しようとして、できないことはありません。
しかし、モーセとエリヤが現れてイエス様と語っていたなどということは、到底理解できることではなかったのです。
「人の子が死人の中からよみがえるまでは」
とあるように、このことは復活という出来事が起き、その事実を通して見ていく時に初めて理解できることなので、イエス様は
「いま見たことをだれにも話してはならない」
とお命じになられたのです。
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弟子たちは
「彼らはこの言葉を心にとめ、死人の中からよみがえるとはどういうことかと、互に論じ合った」
(マルコ9:10)
と、「よみがえり」の意味を知りたかったようですが、そこがイエス様が言いたかった論点ではありません。
まず第1に、イエス・キリストのことは、死からのよみがえりがあったと信じられるようになってから初めて正しく理解できるということです。
それまでは部分的に理解できるところがありますが、その全貌を受け入れることは出来ません。
「わたしたちは、あなたが神の聖者であることを信じ、また知っています」。
(ヨハネ6:69)
とあるように、信じてから知る、という順番があるのです。
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第2に、福音を伝える時には、相手の理解に応じて話さなければならないということです。
一度に全部話すと、かえって相手にとっては理解の妨げになるかもしれません。
真夏にエアコンを探している人に、真冬の暖房が必要だから今すぐ備えよと力説しても
「この人は何を言っているのだろう」
と思われて終わりです。
配慮しながら話し、話さないほうが良い場合もある、と心得て伝道しなければなりません。
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東京の半蔵門の語源ともなった服部半蔵は、徳川家康に召し抱えられた忍者です。
忍術の名人の彼に、次のような伝説が残されています。
ある日、家康が
「半蔵、忍術の極意とは何じゃ?」
と尋ねると、半蔵はスッと立ち上がり、目の前の畳縁(「たたみべり」。畳の帯)の上をスタスタと歩き、また戻り、殿の前に控え、
「これでございます」
と言いました。
家康が
「そんなことならわしでもできる」
と不満げに言うと、
「では殿、これと同じ幅の木を、あちらとこちらの屋根の上にかけ、今のように渡ることがおできになりますか?」
と半蔵が問い返します。
家康は引っ込みがつかなくなり、
「できる!」
と力を込めて言いました。
すると半蔵は静かにこう殿様に迫りました。
「では、千尋(せんじん)の谷の上ならば」
家康は何も言うことができません。
「殿、畳縁を歩むことが、屋根の上でも千尋の谷の上でも平常心で何事もなくできること。これが忍術の極意でございます」
と締めくくった服部半蔵に、家康は
「あっぱれじゃ!」
と言ってほめたそうです。
私たちも、神様が知らせてくれないからこそ、谷の上の細い木の上を何の恐れもなく渡っていけるのでしょう。
やがて神様が知らせてくれる時が来て、目もくらむような場所を歩いているのだと恐怖に襲われる時があるでしょう。
しかしその時も、今までと同じように神の守りがあると信じ、神を讃美しながら歩いていくのです。
忍術の達人ならぬ、信仰の達人の歩み方とはそのようなものなのです。
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復活の福音の知らせを心に留め、神を信頼して今日の歩みを進めて参りましょう。
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