今日のみ言葉【No.1946】(2019年 2月22日)「フェニキヤの女(3)」

2019年2月22日

しかし、イエスはひと言もお答えにならなかった。
(マタイ15:23)

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アイドルと言われる人気芸能人、あるいはグループがあります。

アイドルの英語表記は"idol"で、その意味は「偶像」です。

偶像は自分のことをしゃべりません。話すのはあくまでも「人から期待されている言葉」だけです。

なぜなら、偶像(アイドル)は、それに願いをかける者の声を反射して返すのが仕事だからです。

客:「私たちに元気をちょうだーい!」

ア:「ファンの方々の笑顔で私たちは逆に元気をもらっています。皆さんのほうが素敵です!」

こういう調子です。

ですから、

「普通の女の子になりたい」

「一度何事にも縛られず、自由な生活をしてみたい」

と自分の思いを主張し出したら、解散か活動休止になり、アイドル(偶像)ではなくなります。

聖書の神は偶像ではありません。

ですから、イエス・キリストはしばしば人間にとって不都合なことを言い、時には何も言わず、沈黙を守られる時があるのです。

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スロ・フェニキヤの女の話と同じ話がマタイによる福音書にもあります。

マタイはユダヤ人向けに書かれてあるので、こちらの方はユダヤ人の歴史的敵であるカナン地方の女として表記されています。

マタイはイエス様とこの女との関わりをマルコより詳細に以下のように記しています。

(1)無視(マタイ15:23)
「イエスはひと言もお答えにならなかった」

イエス様は女の訴えと叫びを無視し、聞いて聞かぬふりをしていました。

(2)拒否(マタイ15:24)
「イスラエルの家の失われた羊以外の者には、つかわされていない」

あなたは異邦人なので神の恵みの対象外であるとはっきりと断られました。

(3)侮辱(マタイ15:26)
「子供たちのパンを取って小犬に投げてやるのは、よろしくない」

犬とは異邦人への蔑称です。

いくら柔かな物腰でイエス様が語られたとしても、侮辱されたとこの女が受け取ってもおかしくはありません。

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実はこのような対応を取ったキリスト側には正当な理由がありました。

神は秩序を重んじ、約束を忠実に守られる御方です。

ですからまず地元のユダヤ人、そして周辺のサマリヤ人、そして全世界の異邦人へと祝福を伝えていく順番をきちんと守られるのです。

そして、聖書を貫く大原則としての「アブラハム契約」があります。

「わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、あなたによって祝福される」
(創世記12:2-3)

ここに、「あなたを祝福する者をわたしは祝福し」と約束されてありますから、ユダヤ人のために尽くしたローマの百卒長はイエス様から特別に祝福されました。

しかし、今日出てきたスロ・フェニキヤの女はそのような積み重ねはありません。

イエス様は神の契約通りに動かれるので、女の申し出を断るのは当然で正当なことなのです。

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しかし、神の愛とあわれみを示されるイエス様は彼女の願いを全く拒否し、女を見捨てて終わりなのでしょうか?

実はそこにこの女の霊的資質を見ぬいたイエス様の御計画がありました。

それがどのように実を結ぶのかは次回に譲ります。

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イエス様は偶像の神ではないので、人間にとって祝福と思えることも言い、都合の悪いこともおっしゃられます。

呼べど叫べど一切答えないこともあります。

それこそ真の生きた神である証拠です。

臆せず、たゆまず、神に祈りを捧げる日々を送って参りましょう。

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