今日のみ言葉【No.1153】(2015年10月13日)
人が若い時にくびきを負うことは、良いことである。主がこれを負わせられるとき、ひとりすわって黙しているがよい。口をちりにつけよ、あるいはなお望みがあるであろう。おのれを撃つ者にほおを向け、満ち足りるまでに、はずかしめを受けよ。主はとこしえにこのような人を捨てられないからである。
(哀歌3:27-31)
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ノーベル賞の連続受賞で沸く昨今です。
「日本の科学のレベルはやはり世界レベルだ」
と改めて自信を持った方もおられることでしょう。
しかし、つい最近まで、STAP細胞にまつわる各種の事件で、日本の科学界の信頼は世界的に地に堕ちてしまっていました。
それを忘れて喜んでばかりもいられません。
冷静客観的に見て、一旦落ちた信用を取り戻すには、何年何十年とかかります。
今後数十年、科学者たちの発表には、
「日本人の研究だから…」
と、まずは疑いの目が向けられる冬の時代が続くことは覚悟しておいたほうが良いでしょう。
しかし、名声や高収入の誘いに惑わされることなく、ただただ真理を探求する地道な研究を続けていくべきなのです。
そのプロセスを通してのみ、日本の科学界は、研究の質においても、信頼の高さにおいても世界最高峰に達する日が来るからです。
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哀歌第3章は、救いを求めても救いが与えられない人の詩です。
彼らの先祖アブラハムから明確に始められた神の救いのご計画は、やがて時至り、イエス・キリストの十字架と復活によって成就し、キリストの再臨によって完成します。
しかし神のご計画は、一人の人間が全うする人生を遥かに越えて大きく、何千年という時間をかけて進められていきます。
その歴史の一時期としてバビロン捕囚があり、イスラエルはその神の裁きの時期を通らなければ次の段階へと進むことはできませんでした。
ですから哀歌の記者が生きていた時代とは、どんなに「ここから解放してくれ!」と叫んでも救いは与えられず、ただその苦難の中を耐え忍んで生きなければならない時代だったのです。
ただし、それは苦しむことが目的ではなく、苦しみを通して自分たちが犯してきた罪の事実に目を向け、悔い改めへと向くための長い時間であったのです。
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このような時は、
「主がこれを負わせられるとき、ひとりすわって黙しているがよい。」
(哀歌3:28)
という態度が、求められるふさわしい態度であると哀歌の記者は見出しています。
この不条理に見える苦しみを私に負わせておられるのは主なる神なのだから、ひとりすわって黙していること。
人は望むと望まざるとにかかわらず、そのような時期を通らせられることがあります。
聖書はさらにこう語ります。
「おのれを撃つ者にほおを向け、満ち足りるまでに、はずかしめを受けよ。」
(哀歌3:30)
挫折を知らず、プライドが高い人ほど、このような仕打ちを受けたら死んでしまいたくなるかもしれません。
しかし神は次の約束をもって希望を与え、支えとなってくださいます。
「主はとこしえにこのような人を捨てられないからである。」
(哀歌3:31)
人々から忘れ去られるまでに黙し続け、口をちりにつけるほどまでに頭を下げ続ける…。
この時期があなたの人生を根幹を作る時期となり、やがて与えられる大きな希望を受けてもたじろがない土台となるのです。
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日野原重明先生のお父さん、善輔先生は牧師です。
明治33年、アメリカのデューク大学に留学し、その自由な教育と広大なキャンパスに感銘を受け、帰国後、広島女学院の院長を務めた時に6万坪の山地を購入しました。
しかしそのビジョンは周囲には理解されず、大反対と批判を受けました。
お父さん先生は息子の重明先生に次のような言葉を残しました。
「重明。人生には3つのVがある。Vision(ビジョン)、Venture(ベンチャー)、Victory(ビクトリー)だ。私はビジョン(将来の展望)を描き、ベンチャー(勇気ある行動)を実行したが反対された。しかし、いつの日か、3つめのVであるビクトリー(勝利)があると信じ、おまえも3つのVをやってみなさい」
大きなビジョンは常に時代を先取りするものなので、その時代の人々の理解はなかなか得られません。
それでも勇気ある行動(ベンチャー)をするのです。
続けていった先には必ず次世代の受け継ぐ人がいて、ビクトリー(勝利)へとつながるからです。
そして戦後70年たった今、私たちは「ヒノハラホール」のある広島女学院大学の広大なキャンパスの存在を当たり前のように受け止め、聖路加病院を中心とする数々の医療センターを目にしています。
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口をちりにつける時代は人生に存在します。
しかし、
「主はとこしえにこのような人を捨てられないからである。」
(哀歌3:31)
この御言葉を忘れないで生きていきたいものです。
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