今日のみ言葉【No.3776】(2025年11月14日)「エルサレム入城(1)」

イエスはこれらのことを言ったのち、先頭に立ち、エルサレムへ上って行かれた。
(ルカ19:28)
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イエス・キリストのエルサレム入城時に、人々は熱狂的に歓迎したことがマタイやマルコ福音書に記されています。
代表的表現は、喜びと賛美の「ホサナ」という言葉です。
ところが、ルカにはこの「ホサナ」がありません。
それどころか、エルサレムに入ったという直接的記述はなく、都の外での描写で終わっています。
それは、この箇所が「ミナのたとえ話」の続きとして語られているからです。
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ミナのたとえ話は、拒絶される王のたとえ話でした。
ですから、その直後の、
「イエスはこれらのことを言ったのち、先頭に立ち、エルサレムへ上って行かれた」
(ルカ19:28)
には、
「歓喜した人々によって迎え入れられる王の入城」
とか、
「勝利の入城」
という雰囲気はなく、むしろ、
「悲しみと苦難の入城」
を感じて読まなければなりません。
自分の先入観を入れず、文脈を意識して読むとはこういうことです。
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そのように読んでいくと、イエス様のエルサレム入城を喜んだのは弟子たちだけであった、というルカの記述の意味が見えてきます。
また、イエス様がエルサレムの町を前にして涙を流し、その滅亡を嘆いたという場面がありますが、四つの福音書の中でルカによる福音書にのみ記述されている理由が、なるほどと納得できるようになります。
そして、「悲しみのイエス・キリスト」という姿を通して、この御方がいかに人間の運命を深く憂い、救いを願っておられる主であるかを知るのです。
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悲しむ主のまなざしを思い描きつつ、その深いあわれみに心を向ける一日としてまいりましょう。
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