今日のみ言葉【No.3762】(2025年10月28日)「ミナのたとえ話(2)」

独裁者ヒンケルが地球儀のバルーンをもてあそぶ、有名な場面。

それで言われた、「ある身分の高い人が、王位を受けて帰ってくるために遠い所へ旅立つことになった。
(ルカ19:12)

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チャールズ・チャップリンの『独裁者』(1940年作)という名作映画があります。

この作品を単なる喜劇として観るのではなく、チャップリンが何を訴えようとしていたのかを正しく理解するためには、当時のヒトラーの台頭や戦争という時代背景を知ることが欠かせません。

同じように、「ミナのたとえ話」を正しく理解するためにも、当時の人々が何を考え、どのように感じていたのかという背景を知ることが大切です。

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ミナのたとえ話は、神の国はすぐ来ると思っていた人々の誤解を正すための話でした。

もう一つ、この話を理解するための要素として、当時の時代背景があります。

それは、ヘロデ大王の息子のアケラオが王の称号を得るためローマに行ったことです。

しかし、アケラオは残虐な人物であったため、ユダヤ人の一団がローマに赴き、「彼を王にしないでほしい」と陳情しました。

ローマ支配下のユダヤには自治権がなかったため、アケラオは王ではなく、格下の領主としてのみ認められました。

帰国後、アケラオは反対派の人々を捕らえ、殺害しました。

まだ幼いイエス様を連れてエジプトから帰ろうとしたヨセフが、

「しかし、アケラオがその父ヘロデに代ってユダヤを治めていると聞いたので、そこへ行くことを恐れた。そして夢でみ告げを受けたので、ガリラヤの地方に退き」
(マタイ2:22)

とあるように、ガリラヤのナザレへ退いたのも、この暴虐なアケラオの存在が理由でした。

このような時代背景があったので、イエス様の話を聞いた人々は、

「ああ、あれだ、アケラオの話と同じだ」

と親近感を持ち、一挙にその話の中に入っていくことができたのです。

そして、私たちも、このお話の最後が、

「しかしわたしが王になることを好まなかったあの敵どもを、ここにひっぱってきて、わたしの前で打ち殺せ」
(ルカ19:27)

という厳しく残酷なものになっている理由が、うなずけるようになります。

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聖書を読むとき、その時代背景や文化的文脈を知ることはとても大切です。

そうすることで、聖書の言葉の奥にある神の意図をより深く味わうことができます。

今日も、御言葉の背景にある豊かな恵みを心に受け取ってまいりましょう。

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