今日のみ言葉(2011年4月30日)【No.41】

2012年1月23日

「わたしは裸で母の胎を出た。また裸でかしこに帰ろう。主が与え、主が取られたのだ。主のみ名はほむべきかな。」
(ヨブ記1:21)

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旧約聖書のヨブという人物に次々と災いが臨みました。彼の財産は奪われ、家族は天災の犠牲者となりました。しかしそれらはヨブのせいではなく、サタンの働きを神が制限し、許可した結果でした。彼はその後、以前以上の繁栄を取り戻しましたが、災いの理由は終生知らされることはありませんでした。知る必要がなかったからです。

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ヨブは当初、「自分はこの災いを招くような悪いことは一切していない」「自分のどこが間違っているのか」「私は正しい」という主張を繰り返していました。

しかし、ヨブ記の最後でつむじ風の中から神が現れ、大自然の創造の業を語ります。ヨブにとっては知らないことばかりでした。そこで彼は悟るのです。自分の知るところはほんの一部であり、何も知らないに等しい。しかし、神はすべてをご存知でいらっしゃる。この災いにも私の知らない理由があるのだ…、と。ヨブは自分以上の偉大な存在があることを認め、その方に人生を委ねました。自分の正しさを主張するのをやめ、神の正しさを受け入れたのです。今日の御言葉はそのことを表しています。

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大災害を経験し、それを乗り越えた先達の言葉は貴重です。私たちには今理解できなくても、その正しさは保証済みだからです。

2001年アメリカ同時多発テロ時にニューヨーク市長だったジュリアーニ氏は、テロ数日後、犠牲者の遺族たちに「どう振る舞えばよいのか」と率直に尋ねました。「いつも通りで」というのが答えでした。そこで彼は「ふだんの生活に戻ろう」と市民らに訴えました。ブロードウェイの俳優には「劇場に戻れ」、レストランには「開店せよ」、さらに「野球を再開しろ」、と言ったのです。普段の生活に戻るということは、日本の私たちにとっても大変重要です。

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彼はテロという災害を実際に経験し、その渦中にいた者として、日本人とその指導者たちに対してこう語ります。「テロでニューヨークの一部は破壊され、多くの人が亡くなった。でも、大半は生きのびた。できることはたくさんあるのに、体は大丈夫なのに、心が言うことを聞かない。だから前を向かせることが大事だ。」(日経新聞4月27日付)
前を向くことまで、とても気が回らないという方もおられることでしょう。過去に引きずられる力を感じ、立ち止まって普段の生活を行うだけでも精一杯の方もおられるでしょう。しかし、一歩でも前の方に向かうことによって私たちが支えられていくことを、ジュリアーニ前市長は教えています。なぜなら彼は同じく被災者であり、かつ、そこから立ち上がった経験者だからです。

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理由はわからなくても、神の判断こそが確かだ、と自分以上の存在を信じ、前へ向かって歩み出す一日として参りましょう。

初期,御言葉

Posted by maruyama