今日のみ言葉【No.3610】(2025年 4月11日)「赦しについての教え(5)」

エリコのザアカイが登ったと言われるいちじく桑の木

使徒たちは主に「わたしたちの信仰を増してください」と言った。そこで主が言われた、「もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、この桑の木に、『抜け出して海に植われ』と言ったとしても、その言葉どおりになるであろう。
(ルカ17:5-6)

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コインパーキングの看板には、

「当日最大600円」

などと大きく表示されているのをよく見かけます。

しかし、実際にはそれ以上の金額を支払わなければならなかったというケースも耳にします。

たとえば、よく見ないとわからないような小さい文字で

「土日祝日を除く」

と記載されているようなケースです。

利用したドライバーの中には、週末の二日間で「合計1200円のはず」と思い込んでいたが、倍以上の料金を請求されて驚いたという例があります。

実は、今日の聖書箇所も、これと同じようにその一文だけを取り出して適用してはいけない箇所なのです。

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「もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、この桑の木に、『抜け出して海に植われ』と言ったとしても、その言葉どおりになるであろう」
(ルカ17:6)

この御言葉は、何と励ましに満ちた言葉でしょう。

それでは、何でも強く信じたらその通りになるのでしょうか?

この一文だけ抜き出して現実に適用しようとしたら、信仰生活は失敗や挫折、そして、聖書と神に対する疑いで満ちたものになりかねません。

この言葉は、その前に弟子たちが願った、

「わたしたちの信仰を増してください」
(ルカ17:5)

という問いかけに対する、イエス様の答えなのです。

ではなぜ弟子たちはそう願ったのでしょうか?

それは、その前にイエス様がこう語っていたからです。

「もしあなたに対して一日に七度罪を犯し、そして七度『悔い改めます』と言ってあなたのところへ帰ってくれば、ゆるしてやるがよい」
(ルカ17:4)

このイエス様の要求は、あまりにも高く思われたため、弟子たちは「今の自分たちの信仰ではとても無理だ」と感じたのです。

つまり、「からし種一粒ほどの信仰」とは、人を赦すという文脈の中で語られたものであり、一般的に何にでも当てはまる万能な「信じれば叶う」法則として拡大解釈することは想定されていないのです。

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人を赦すことは大業(たいぎょう)です。

生涯をかけて取り組まなければならないような、意義深く困難な事業になる場合もあります。

しかし、イエス・キリストは、生きた本物の信仰があるかどうかだと言っておられます。

その人をゆるすことができると、大きく信じている人は赦せて、小さく信じている人はそうできないということではないと言うのです。

また、人間の能力の差によるものではなく、赦しについて多く勉学している人はゆるすことができ、知識がない人はゆるせないということでもありません。

イスラエルの「からしの木」の種は、本当に小さな種です。

身近な例にたとえるなら、ペチュニアの花の種ほどの微細な粒です。

しかし、種がどんなに小さくても、地に蒔き、水を与えれば芽を出し、やがて花を咲かせます。

それは、種に命が宿っているからです。

その命ある、一粒ほどの信仰があれば、

「この桑の木に、『抜け出して海に植われ』と言ったとしても、その言葉どおりになるであろう」
(ルカ17:6)

とイエス様は言われるのです。

「この桑の木」とは、ザアカイが登ったような「いちじく桑」の木です。

背の低かったザアカイが登ることができたように、枝は低いところから伸びており、地面には広く、そして深く根を張るのがこの木の特徴です。

つまり、この木を引き抜くのは容易なことではありません。

しかし、それくらい難しいことでも、

「抜け出して海に植われ」

と言ったらその通りになるとイエス様はおっしゃったのです。

信仰の大小や量ではなく、命ある生きた信仰があるかどうか。

それが、人を赦すことができるかどうかの決定的な違いなのです。

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では、その生きた信仰とは、どういうものなのでしょうか?

生きた信仰なのか、そうでないのか、本物か否かを見分けるにはどうしたらいいのでしょう?

それを教えるのが、次の「ふつつかな僕」「取るに足りないしもべ」の話です。

以下、次回に続きます。

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赦しを目指して生きて参りましょう。

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