今日のみ言葉【No.1995】(2019年 4月22日)「聖書の読み方(1)」

2019年4月22日

あなたのみ言葉はいかにわがあごに甘いことでしょう。蜜にまさってわが口に甘いのです。
(詩篇119:103)

——————

インターネットの百科事典ウィキペディアによると、日本人の著作物で最も多く翻訳されているのは村上春樹氏の『ノルウェイの森』で36ヶ国語、そして、黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』が35ヶ国語で続いています。

世界で一番翻訳されている小説は、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『星の王子さま』で253種類の言語。

桁が違います。

やはり良い本、感動した本は、自分の国の人にも読んでもらいたいという熱意が湧き上がり、各国民の努力が積み重ねられた結果でしょう。

ところが、もう一つ上のケタ違いの書があります。

それが世界で最も多く翻訳されている本で、ご想像通り、聖書です。

その数2798種類(2012年調査)。

世界の国の数より遥かに多いのは、少数民族の部族語に至るまで翻訳されているからです。

この圧倒的数こそ、聖書は価値ある書であると実感し、

「なんとかしてこれを伝えたい。あの人たちの人生に生きる希望をもたらしたい」

という思いで動かされた人々がいたという客観的証明です。

聖書はまことに世界のベストセラーたる、別格の本なのです。

-*-*-*-*-*-*-

このような聖書は、どういうふうに読んだらよいのでしょうか?

毎日読めばいいとか、解説書を脇に置いて研究しながら読み進めるとか、色々な方法が考えられます。

しかし、牧師や聖書学者ならいざ知らず、多くの時間を割き、多大な労力を注いで聖書を読むというのは、一般の人には現実的ではありません。

そこで初心者の方に対して、私はこう言っています。

「まずは毎日、聖書を開いて下さい。一行だけしか目が行かない日もあるでしょう。それはそれで良しとして下さい」

「まずは聖書に触れること。人は触れるものに似ますから、だんだん聖書を通して影響されていきます」

ここがスタートの取っ掛かりの場所で、読めない日があっても当たり前だと思って下さい。

どこかで歯車が噛み合い、動力があなたに伝わり、継続的に聖書を読むようになる日がやって来ます。

-*-*-*-*-*-*-

次に、読んだところは全部理解しようとする意識を捨てることをお勧めしています。

何となく

「こういうことだろう」

とわかる個所もありますが、聖書は中東という日本とは全く異なる地域・文化を舞台にし、何千年も前の時代の出来事が書かれているのですから、

「わかったつもりでいるほうがおかしいのだ」

というくらいに考えていて下さい。

しかし、時代や文化が違っても、人類であることは共通していますから、理解できる部分は見つけられます。

そのわかったところを自分の生活に結びつけ、そこを足場にしてさらに別の箇所を読んでいくようにするのです。

聖書を味わうとはこういうことです。

聖書に登場する人物は全員この世に生きた人で、あなたと同じように実際の日常生活をしていた人たちです。

決して霞を食べて生きていたのではありません。

ですから、頭の中で理論理屈を組み立てて理解しようとするよりも、案外、実生活の中で聖書を理解しようとするほうが早く、またより正確に神の御心を把握できるようになるものです。

もちろん、独りよがりにならないように、信頼できる先生やクリスチャンの友人から聖書を教えてもらうことも必要ですが、まずは自分の生活の中で実験してみることが先です。

このように聖書を読み、実際の生活を生きていくと、聖書の理解が深まっていきます。

-*-*-*-*-*-*-

S兄は毎年聖書全巻通読をする人です。

彼は学生時代、勉強が得意な人ではありませんでした。

ですから、聖書を読んでもちんぷんかんぷん。

私が丁寧に教えて差し上げても、目はうつろ、顔は無表情、全く理解している様子は見えませんでした。

しかし、

「先生、ありがとうございました。またよろしくお願いします!」

と最後に笑顔で元気に言ってくれるので、それがせめてもの救いでした。

あれから30年。

今や彼の口から出るのは聖書の御言葉です。

「先生、聖書は○○と言ってますね。僕はそうやって生きています」

と相変わらずの笑顔で語ってくれます。

30年前と違うのは、聖書を読むことによっていつの間にか蓄えられた神の言葉が、生活の折々で心に浮かび、彼の人生を決めてきたということです。

聖書の言葉を指針にして生きることによって今までなんとか生きてこれたという平安が、彼の笑顔の中に満ちあふれています。

聖書はまさに、人を導き、命を与え、その味を一旦味わった人はさらに次を読んでいきたくなる蜜のような甘さを持った書なのです。

「あなたのみ言葉はいかにわがあごに甘いことでしょう。蜜にまさってわが口に甘いのです」
(詩篇119:103)

-*-*-*-*-*-*-

聖書の言葉が持つ「甘さ」を味わう今日となりますように…。

-*-*-*-*-*-*-
-*-*-*-*-*-*-

※御言葉メールのスケジュールは、
・月曜と木曜…キリスト教入門講座
・火曜と金曜…マルコ福音書講解説教
・水曜と土曜…慰めと励ましの聖句シリーズ
となっております。

-*-*-*-*-*-*-
-*-*-*-*-*-*-

□ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ □
■メールマガジン「今日のみ言葉」
■発行責任者:山形ジョイフルチャーチ 丸山芳浩
■ご意見ご感想は、maruyama@mikotoba.orgまでどうぞ
■Webサイト  https://mikotoba.org

■御言葉メールの申込、停止は全て自動でなされます。下記メールアドレスに件名も本文も無い空メールを送信して下さい。
・御言葉メールをお申し込みになりたい方は
→ reg@mikotoba.org
(仮登録メールが送られますので、その中のリンクをクリックして本登録となります)
・御言葉メールを停止したい方は
→ del@mikotoba.org