今日のみ言葉【No.2006】(2019年 5月13日)「聖書の読み方(4)」
すると、彼らはすぐに網を捨てて、イエスに従った。
(マルコ1:18)
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卓球の水谷隼選手が、ファンからの「どうしたら卓球上手くなりますか?」という質問に、ツイッターでこう答えています。
「『どうやったら卓球強くなりますか?この技術はどうやったら上手くなりますか?◯◯はどうやったらできるようになりますか?』って人生で1番質問されてる俺の嫌いなワードですから答えます。『1万時間練習してから質問しに来てください』。近道なんてない。」
実はこれは昔から言われている定説です。
1万時間は毎日3時間の練習で10年、毎日8時間やれば4年で達成できる数字ですから、努力すれば上達するということの別の表現であるわけです。
「言うは易く行うは難し」ですが、これを「行うは易し」にするひとつの方法があります。
それはできるだけ早いうちに、すぐ始めることです。
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マルコによる福音書を読む時のキーワードは、この「すぐ」です。
ペテロの弟子ヨハネ・マルコによって書かれたこの福音書は、ローマ皇帝ネロの迫害下で苦しむ初代のクリスチャン向けに書かれました。
「神を信じたら幸せになれると思っていたのに苦労ばっかり…」
「なぜ神はこの理不尽な虐げを許しておかれるのか?」
「我々が伝え聞いて信じた救い主イエス・キリストの福音とは一体本当のところ何なのか?」
そのような不安や疑問が湧き、信仰がぐらついた状態になるのはいつの時代でも同じです。
そこで、キリストの福音とは何か、イエス様は具体的にどんなことをなされたのかを手っ取り早くまとめ、迫害に苦しむ信者たちに神とキリストの福音とは何たるかを教えるため、4つの福音書の中で一番最初にマルコによる福音書が書かれたのです。
ですから、マルコによる福音書では
「すると、彼らはすぐに網を捨てて、イエスに従った」
(マルコ1:18)
という具合に「すぐに、○○した」と次々と行動する描写が多く出てきます。
これがマルコ福音書の大きな特徴であり、この書を正しく読んでいくための鍵となります。
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マルコを読んだ後は、
「これが神の御心と思ったら、間髪を入れずに行動する」
という方向に生き方が進んでいくようになります。
これは大きな祝福です。
今すぐ、早い内に悔い改めをし、その習慣を身につけた人の人生は、終盤の老年期に至るまで花を咲かせ続け、決して「晩節を汚した」という終わり方をしないからです。
それは失敗をしない人生だからではありません。
人は最後まで過ちを繰り返す存在であり、やれば必ずどこかでうまくできないことが起きます。
しかし、その度に、
「あっ、ごめんなさい」
と周りの人に瞬間的に謝り、かつ、キリストの福音に従って自分自身を赦し、そして自分の考えと行動を新しくしようとする人の生き方は、神の国の聖なる讃美をこの世に響かせるような生き方となるのです。
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世界的バイオリニストを多く輩出させた「スズキ・メソード」の創始者、鈴木鎮一氏の著書『愛に生きる』(講談社)の中にウグイスの話があります。
あの「ホー、ホケキョ」と鳴く鶯(うぐいす)です。
ウグイスは全部きれいに鳴くかというとそうではなく、上手下手があり、日本では昔から上手に鳴くウグイスを作り出す方法を取ってきたのだと書いてあります。
「春、山へはいって野生のうぐいすの巣を見つける。そして、親鳥にまだ養育されている幼鳥をとらえてきて、これにえづけをし、幼鳥がえづいておちついたところを見計らい、よそから名鳥を借りてきて、毎日、その美しいさえずりを幼鳥に聞かせる。その期間は約1カ月」(P23)
この幼鳥を「付子(つけご)」と呼びます。
付子は自分の親の声ではなく、鳴き声の美しい名鳥のもとでその声を聞いて育てられます。
もちろん聞くだけでなく、その他周到な教育がなされるのですが、最も大事なことは、最初の1ヶ月間、良い先生につくということです。
鈴木氏はさらにこう続けます。
「生まれつきの優劣ではない。そこにあるのは、うぐいすの幼鳥の生命です。その生命活動はすばらしい力をもって環境に適応しようとし、美しい発声能力へと生理的変化をとげ、名調子を体得し、やがてひとり立ちするころには、先生と同じ美声・名調子でさえずるようになるのです」
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私たちは天の父なる神様へと親替えをしました。
後はキリストの生き方に目をとめ、それに倣(なら)うことです。
早ければ早いほどよろしい。
今、すぐ、悔い改めることほど信仰を磨く訓練はありません。
マルコによる福音書はこのように読み、すぐに神に従うクリスチャンとして行動して参りましょう。
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