今日のみ言葉【No.2977】(2022年12月31日)「サラの埋葬(2)」
「わたしはあなたがたのうちの旅の者で寄留者ですが、わたしの死人を出して葬るため、あなたがたのうちにわたしの所有として一つの墓地をください」。
(創世記23:4)
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一般の方々にキリスト教のお話をする時、お墓をどうするかの質問をする人がいたら、
「ああ、この方は本気で洗礼を考えておられるな」
と私は判断します。
自分の墓を建てるということは、先祖代々の墓から離れるということで、今までのつながりを断ち切り、神を信じる全く新しい生き方をすることだからです。
アブラハムはサラの墓を故郷ハランに求めず、マクペラの畑のほら穴を買い取り、そこに彼女を埋葬しました。
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アブラハムは寄留者であったため、不動産である土地を所有していませんでした。
そこで彼は墓とするための土地を買おうとします。
3節から16節までは、中近東の慣習に則った土地の売買の交渉が描かれています。
アブラハムは長年連れ添った愛する妻を失った悲しみの中にありながら、その地の常識に従い、寄留者として生きるための知恵を発揮しています。
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その地、ヘテの人々は、
「あなたはわれわれのうちにおられて、神のような主君です」
(創世記23:6)
とアブラハムのことを形容しているので、彼はこの地で大きな影響力を持っており、憎まれてはおらず、好意的に迎えられていたことがわかります。
彼らはアブラハムに土地を譲っても良いと考えていたのです。
アブラハムはあくまでも低姿勢で臨みます。
ゾハルの子エフロンの土地を話に出し、
「彼が持っている畑の端のマクペラのほら穴をじゅうぶんな代価でわたしに与え、あなたがたのうちに墓地を持たせてください」
(創世記23:9)
と頼みます。
「じゅうぶんな代価」とは、最高額で買い取りますという趣旨の表現です。
これを聞いたエフロンは、ヘテの人々の前で公にこう言います。
「わたしはあの畑をあなたにさしあげます。またその中にあるほら穴もさしあげます」
(創世記23:11)
アブラハムが言い値で買うと言っているのに、その好条件を捨てて無料で与えるというのでしょうか?
これは無償提供ということではなく、あくまでも中近東の慣習でこのように言い、次に続く交渉を進める言い方なのです。
アブラハムも当然そのことは知っていて、
「わたしはその畑の代価を払います。お受け取りください」
(創世記23:13)
と言って、支払いの意志を明確にします。
するとエフロンはこう答えます。
「わが主よ、お聞きなさい。あの地は銀四百シケルですが、これはわたしとあなたの間で、なにほどのことでしょう。あなたの死人を葬りなさい」
(創世記23:15)
さっきは「さしあげます」と言っていたのに、今度はちゃんと金額を提示しています。
これがその当時の慣習なのです。
ご存知のように、ここから値下げ交渉が始まります。
ですから、銀400シケルというのは高額な値段で、ある注解書によれば当時の一般価格の10倍の法外な値段だったと言います。
ところが、アブラハムはこの提示をそのまま受け取ります。
「そこでアブラハムはエフロンの言葉にしたがい、エフロンがヘテの人々の聞いているところで言った銀、すなわち商人の通用銀四百シケルを量ってエフロンに与えた」
(創世記23:16)
これは彼が買い物下手だったとか、騙されて買ったということではありません。
「アブラハムは言った言葉をその通りに実行する男だ。約束を果たす人物だ」
と、自分の誠実さを実証したことであり、さらに、寄留者として生きるため、富ではなく隣人との平和を求めたということです。
この世の寄留者として生きる私たちも、アブラハムのような知恵が必要です。
しかし、この聖書箇所から処世術を学ぶのではなく、神と共に生き、神のやり方を知ったアブラハムは、神と同じように約束を果たす生き方をしたということがポイントです。
この世の常識を知り、人々との協調関係を維持しながら、誠実に、忠実に生きる時、私たちはそこに神の栄光を表す人生を送れるのです。
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知恵を働かせ、神と共に生きる。
そのような人生を送る今日として参りましょう。
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