今日のみ言葉【No.1264】(2016年 4月11日)

残りのすべての民の心を、振り動かされたので、
(ハガイ1:14)

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ある高校で授業中に眠ってしまう生徒が出始めました。

「君たちはやる気があるのか!」と叱る先生がいます。当然と言えば当然です。

しかし、一人、こう言う先生がおられました。

「君たちを寝かせてしまう私の授業に問題がある。それだけ魅力に乏しいということだ。」

この一言で生徒たちの心が先生と通じたようです。

自分の授業方法を変えようとし、研鑽に研鑽を積むこの先生の授業で寝る人はいなくなりました。

寝る生徒に問題があるのか、眠らせる教師に問題があるのか。

立場を変え、見方を変えることで解決の糸口が見えてきます。

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ハガイ書では、イスラエルの民は考えを変えなければならないということが記されています。

ハガイが預言者として活動したのは、人々がバビロン補囚から解放され、エルサレムに帰還した更にその後です。

エズラによって導かれ、夢にまで見た故国で彼らが見たものは夢のような世界ではなく、荒廃した都と生活するのにも厳しい現実でした。

神を第一とするか、生活を第一するか。

彼らは自分たちの生活を優先しました。

「自分たちの衣食住が整わなくては、神様神様と言っても始まるまい」

そう言われてみればその通りです。

こうやって彼らの神殿建設工事は途中でストップし、自分たちの家を建て、経済を確立させる方を優先させ、18年経った時にハガイが現れたのです。

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神は預言者ハガイを通して2度もこう語ります。

「あなたがたは自分のなすべきことをよく考えるがよい。」
(ハガイ1:5)

これに対して、

「はいはい、神様わかっております。『やりたいことではなく、やるべきことをする』、耳にタコができるほど聞いております。でも、それができれば苦労はありません。」

「主を第一としていなかったから、多く蒔いても取り入れは少ないのですね。あなたが天の露を差し止めたので地の産物はできないのですね。自分の家のことだけに忙しくしていた我々への天罰なのですね。」

という声が聞こえてきそうです。

そしてもうひとつ、

「それはわかっております。でも、わかっていてもできないんです。」

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眠気を我慢できずに寝る生徒には、もう自分自身を起こす力はありません。

神の家である神殿工事を途中でやめてしまった当時のイスラエルには、これを再開する力はありませんでした。

それを正確に見て取った神は、

「残りのすべての民の心を、振り動かされた」
(ハガイ1:14)

のです。

この「心」という語には「ルアッハ」というヘブル語が使われていますから、「知・情・意」で出来ている魂の部分の更に奥底にある「霊」の部分に神が力を及ぼされたことがわかります。

新共同訳聖書で「霊を奮い立たせられた」と訳されている通りです。

私たちは

知的に…「まず神の国と神の義とを求める。これが祝福を得る鍵だ」

と理解しています。

情的に…「ああ、神様の心を悲しませてしまった。何とか再起したいものだ」

と心震わせます。

意志的に…「今日からちゃんとやる」

と自分に言いきかせ、実行のための計画を立てることができます。

しかし進みません。

どうやってもできずに、月日ばかりが流れていきます。

ですから神が、私たちの霊の部分を振り動かし、奮い立たせられるのです。

神の力によって行う。

これは途中で挫折した人でなければ味わえない神の世界です。

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停滞している私の霊に、神が働いて下さることを信じる一日として参りましょう。

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