今日のみ言葉【No.2935】(2022年10月28日)「キリストの受難告知(4)」

ドン・ボスコ聖堂(ブラジル)

イエスは彼らを戒め、この事をだれにも言うなと命じ、そして言われた、
(ルカ9:21)

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プロ野球日本ハムファイターズは今年最下位に終わりましたが、自分をビッグボスと呼ばせ、チームの抜本的改革を目指したのが新庄剛志監督です。

ある選手が、来季はどういうプレーをしたいか、というインタビューを受けた際に、

「そうですね」

と定番のひとことを言いました。

すると、新庄監督は、

「そうですねはいらない!」

と、いきなりの言葉です。

そして、

「自分の思ったことを素直に話せばいいだけ。いいことをしゃべろうと思ったらだめだよ」

と、その選手を諭しました。

「そうですね」を禁止されて、この選手は、

「当たり障りのない、マスコミ受けする言葉を語ろうとしていた」

ということに気づいたようです。

一息入れて考え直した後、

「今年とはまったく体つきも変わって、違う人がプレーしてるんじゃないかっていうぐらい、皆の視線をひくようなプレーをしたいと思ってます」

と、自分の内側にある本当の願いを高らかに宣言しました。

あることを禁止されてはじめて、人は自分が当たり前だと思っていて意識もしていなかったことを客観視できるようになり、自分の生き方を改めて考え直すことができます。

イエス様がペテロに、彼の信仰告白を他者に伝えることを禁止した背景には、このようなことがあったのです。

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イエス様が弟子たちを戒め、ご自身を「神のキリスト」と呼ぶなと禁止したのはなぜでしょう?

それは、弟子を始めとする人々のメシア観が本当のメシアであるイエス様の姿と異なっていたからです。

もし弟子たちが

「イエス様こそ神のキリスト、救い主メシアだ」

と宣伝すれば、彼らの誤ったメシアのイメージが人々の間に広まり、神が意図しない方向に期待が集まってしまいます。

それはキリストが真に成し遂げようとしていることを妨害することになるのです。

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この時点で群衆が持っていたイエス様に対するイメージは、間違いなく「タダでパンをくれる人」です。

「この人についていけば、パンの心配は無い。将来は安泰だ」

と思ってついて来たのです。

弟子たちも同じかというと、彼らはそれ以上を望んでいました。

イエス様は王となり、自分たちは将来取り立ててもらい、高い地位につく未来を描いていたのです。

群衆は、平和で豊かな生活。

弟子たちは、将来の栄達。

このような自分の夢を叶えてくれる人としてイエス様を見ていたのです。

しかし、イエス様はその先に人間の幸せはない、ということをご存知でした。

現代日本が、食も平和も享受しているのに幸福度が低いという調査がそれを如実に証明しています。

ペテロが告白した「神のキリスト」という言葉を、イエス様が「この事をだれにも言うな」とお命じになったというのには、そのような背景と理由があったのです。

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では、キリストが真に成し遂げようとしていることとは何でしょうか?

それは、十字架につくことです。

それによって人間の罪が赦され、神との関係が再び結ばれ、永遠の命を与えるために地上に来られたのです。

いよいよイエス様はご自身の使命を明らかにされます。

そして弟子たちにも十字架を負えと迫ります。

彼らが考えている豊かな生活という夢を壊す未来を語られるのです。

この後、一体どうなっていくのでしょうか?

以下、次回に続きます。

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本当の現実を知り、神が与える真の幸いを得ていく今日としてまいりましょう。

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