今日のみ言葉【No.2861】(2022年 7月23日)「アブラムとロト(6)」
アブラムは天幕を移してヘブロンにあるマムレのテレビンの木のかたわらに住み、その所で主に祭壇を築いた。
(創世記13:15)
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私の実家の庇(ひさし)には小さな破れがあり、そこから中に入った雀(すずめ)が春から夏にかけて子育てをします。
前の居住者が残した巣があるせいか、雀の世界では人気物件らしく、巣立ちをして静かになったと思ったら、新たに別の雀の家族の声が聞こえてきたりします。
どの世界でも住む場所を見つけるのには一苦労いるようです。
アブラムはヘブロンに移り、そこで定住生活を始めます。
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アブラムは神から
「あなたは立って、その地をたてよこに行き巡りなさい。わたしはそれをあなたに与えます」
(創世記13:14)
と言われました。
しかし、考えてもみて下さい。
もし、アブラムがあちこちを歩き回り、
「ここは今日から私の土地だ。なぜなら神がそう約束したからだ」
と宣言し、そこに住む人々に移動を迫ったらどうなるでしょう?
当然、元々の所有者との間に争いが起きます。
では、神の約束は嘘八百の出鱈目だったのでしょうか?
それも考え難いことです。
カナンの地はアブラムの所有であって所有でないという、一見矛盾に見える状態を現実的に解決したのが今日の聖句です。
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「アブラムは天幕を移してヘブロンにあるマムレのテレビンの木のかたわらに住み、その所で主に祭壇を築いた」
(創世記13:15)
アブラムは天幕生活を続ける寄留者としてヘブロンに移ります。
「マムレのテレビンの木のかたわらに住み」とありますが、マムレとはその土地を所有するアモリ人の名前です。
「この時アブラムはエシコルの兄弟、またアネルの兄弟であるアモリびとマムレのテレビンの木のかたわらに住んでいた」
(創世記14:13)
つまり、彼は強引に土地の所有を宣言せず、あくまでも寄留者としての立場を崩さないで生活を続けたということです。
彼が土地を所有したのは、妻サラが死んで、ヘブロンにあるマクペラの畑を墓地として購入したのが初めてです。
この時も、彼は土地の有力者たちに自分は寄留者の身であることを明確に訴えています。
「わたしはあなたがたのうちの旅の者で寄留者ですが、わたしの死人を出して葬るため、あなたがたのうちにわたしの所有として一つの墓地をください」
(創世記23:4)
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では、彼はあきらめてしまったのでしょうか?
そうではありません。
アブラムが神の約束を信じ、その信仰を行動に表したのが、
「その所で主に祭壇を築いた」
(創世記13:15)
というところです。
真の神を知らない人々の中で、彼は
「ここは神が与えた約束の土地だ」
ということを、
「マムレのテレビンの木のかたわら」
という偶像礼拝真っ只中の地に祭壇を築き、公に神を礼拝するという行為を通して表したのです。
アブラムは、約束と現実の両方に足を乗せ、先走りせず、一歩々々、信仰の歩みを続けて行ったのです。
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アブラムのように祈りの祭壇を築き、神の約束を見つめながら、現実の確かな一歩を踏み出す今日として参りましょう。
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