今日のみ言葉【No.2704】(2021年12月15日)「神の勧めを待つ」
しかし彼らはまもなくそのみわざを忘れ、その勧めを待たず、
(詩篇106:13)
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カウンセリングには「受容の2つの峠」と言われるものがあります。
相手のありのままの姿を受け入れて信頼関係作りをする際、どう考えても反対したくなることをクライエントは話すものです。
たとえば、
「こうなったら不倫をしても構わないと思います」
「もう死ぬしかありません」
といったものです。
思わず
「いや、それは違うでしょう」
と止めにかかりたくなりますが、そこをぐっとこらえて、その人が言うような行動を認めるのではなく、気持ちを受容し、共感するように努めます。
カウンセラーは、
「そうか、それも無理はない。そう思うだろうなあ」
という思いで接するのです。
そうした時にクライエントは初めて
「わかってもらえた」
という感覚を味わい、そこからカウンセラーに徐々に心を開き、さらに深く話をしてくれます。
カウンセラーはこの「危ない橋を渡る」ために、ていねいに話を聞き取り、受容を続けます。
受け入れがたいものを受け入れる。
これが受容の最初の峠です。
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次の峠はもっと受け入れがたいものかと言うと、その反対で、まさにカウンセラーの苦労が報われ、理想的方向へクライエントが向いた時に出会います。
つまり、相手が
「こうしようと思います」
と言い出した答が、こちら側が用意していた答と一致した場合です。
思わず、
「お気づきになられましたか!」
と賞賛し、
「その方向で行きましょう」
とグイグイ進めたくなりますが、これが落とし穴なのです。
なぜでしょう?
そう言った瞬間にカウンセラーの「上から目線」が出現し、「教える」「直す」という受容と反対のものが出てくるからです。
頭ではわかっていても、行動に移せないのが人間です。
ですから、ここは相手の足元にこちらの方から穴を掘り出し、潜り込むようにして受容させていただくのです。
ここが受容の第2の峠です。
この峠を乗り越えるには、
「そのように思われるまでにはどれほどの葛藤を繰り返されたことでしょうか。そのいきさつを聞かせていただけませんか」
と質問し、さらに相手の気持ちや感情、決心に至るまでのあれやこれやの苦労をお聞きします。
そうすると、いかにカウンセラー側の「見立て」が実際とズレていたかがわかり、
「言わないでいて良かった」
と冷や汗をかくことが何度もあります。
クライエントこそが最もひどく現実を味わっているので、一番ピッタリの答を出すことができるのです。
忍耐して相手の答を待つ。
これがカウンセリングの基本です。
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カウンセリングの話が長くなりましたが、このことは、神を待ち、最上の答を得ることと相通ずるものがあると思います。
今日の聖句は
「しかし彼らはまもなくそのみわざを忘れ、その勧めを待たず」
(詩篇106:13)
とありますが、これは旧約のイスラエルの歴史を概観した時に、確かにその通りだと頷ける御言葉です。
古代イスラエルは神の奇跡によってエジプトを脱出しました。
神は彼らのすべての必要を満たすため、驚くべきみわざをなそうとしておられましたが、イスラエルの民は「その勧めを待たず」に自分なりの考えで行動したのです。
それはその後を引き継いだヨシュアも同じで、時を捧げて「神様の御心は何だろうか」と、「神の勧めを」待つことが必要だったのです。
しかし、それを怠ったせいで、彼はアイの攻略に失敗し、ギベオン人と契約を結び、また、カナン全土を征服することなく、先住民を残したままで終わりました。
優秀な指導者ヨシュアにしてこうなのですから、早く答を出して、早く楽になりたいという本音を持っている私たちはなおさらです。
神の祝福を得るには、先人の失敗から学び、神の勧めをいただくまで待つことです。
それは何もしないでいいということではありません。
カウンセラーがクライエントの話を丹念に聞き取るように、私たちは神の言葉である聖書を読み、そこからメッセージを汲み取り、また、祈りを通して神と会話し、神の導きに対して敏感でいるようにするのです。
たとえそのように心がけていても、神は今までとは全く違う、新しいパターンを創造される御方ですから、経験したことのない方向から意外な言葉を聞くことがあるでしょう。
思わず神の勧めを聞き逃すこともあるでしょう。
しかし、また始めるのです。
あのイチロー選手でさえ、ピッチャーが10球投げたうち、4球ヒットを打つことはできなかったのです。
3回打てたらプロの中でも一流選手なのですから、私たちが10のうち7回失敗したとしても普通だと思ってチャレンジしましょう。
そうやって、神の導きがひとつひとつ感じられるようになる日がやってくるのです。
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神の勧めを待ち望む今日として参りましょう。
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