今日のみ言葉【No.2697】(2021年12月 7日)「霊的リーダーの資質(5)」

悪い実のなる良い木はないし、また良い実のなる悪い木もない。木はそれぞれ、その実でわかる。いばらからいちじくを取ることはないし、野ばらからぶどうを摘むこともない。
(ルカ6:43-44)

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神学生時代、台湾で臨床牧会研修に参加した折、現地の方々から本場の中華料理のお誘いを受けました。

これ以上食べられないと思うところまで食べましたが、不思議なことに次に出されるひと皿に口をつけると、スーッと入るのです。

そしてまた次の料理で限界と思うのですが、招待された手前、無理にでも口に入れると、これまた食べられます。

そうやってメニュー全部を完食してしまいました!

さすが中国4千年の伝統。

料理を出す順番や出し方で、全部おいしく、スーッと食べられるようにしてもらいました。

イエス様の話し方も、受け入れがたい固い内容がスーッと納得できるようにされています。

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ルカ6:43-45の箇所は、起承転結という論理構造で話されていると見ると、イエス様が伝えたいリーダーの資質がはっきりと浮かび上がってきます。

ちょっと長くなりますが、まず起承転結とは何かを説明します。

(1)「起」は説き起こしです。

「悪い実のなる良い木はないし、また良い実のなる悪い木もない」(43節)

と、誰でも「その通りだ」と納得できる話題から始めます。

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(2)「承」は説き進めです。

「起」を受けて、それに関連する話をします。

「起」で実のなる話をしたので、それを受けて、

「木はそれぞれ、その実でわかる。いばらからいちじくを取ることはないし、野ばらからぶどうを摘むこともない」(44節)

と、イエス様はユーモアを交えて、いちじくやぶどうといった身近な実を出して話を進められます。

ここら辺で、罪の性質を持った人間が木にたとえられているのだなあとわかってきます。

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(3)「転」は違った角度からの説き進めです。

今度は、

「善人は良い心の倉から良い物を取り出し、悪人は悪い倉から悪い物を取り出す」(45節)

と、「木と実」が「倉と物」という内容にすり替わり、さらに善人と悪人という新たな概念が加えられて話が進められます。

よく話を聞いている人なら、私たちの心の中の思いが言葉や行動となって外側に現れるということだと悟るでしょう。

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(4)「結」は結びです。

「承」と「転」で語られた別角度のものをここで一つにまとめ、最も主張したいことを述べます。

「心からあふれ出ることを、口が語るものである」 (45節)

結局、その人の心の中が言葉となって口から出るのだから、リーダーたる者、内面が変えられていることがポイントなのだということです。

では、外側の言葉遣いを変えたり、行動習慣を変えることは意味がないのかというと、そうではありません。

それらは自分の内面を変えるきっかけとなりますから、大いに用いるべきです。

しかし、それで外側を繕い、見かけ上は問題無しだからそれで良しとすることではいけないのです。

人の上に立ち、後続の方々を指導する立場にある人は、キリストにあって新しく生まれ、罪が処理され、聖霊の導きに頼って生きる心が必要なのです。

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神の愛が心からあふれ出る者とされますように…。

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