今日のみ言葉【No.366】(2012年 8月 1日)

主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられた。
(第2コリント8:9)

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高齢者体験セットという製品があります。

加齢に伴う身体の変化が与える日常生活の不自由さを体験するものです。

これを装着することにより、若い時には考えもつかない老後の身体の感覚が体験できます。

・ゴーグルをつけるので視野が狭くなり、文字や色の識別が難しくなります。
(白内障の体験)

・手足に重りを付けることで動作が困難になります。
(筋力低下体験)

・耳栓をして音が聞こえにくくなります。
(難聴体験)

この体験から、高齢者の心理を理解した接し方ができたり、住宅内のバリアフリー化に役立てたりすることが出来ます。

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今日の聖句の

「主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられた。」

とは、お金持ちの神様の息子のイエス様が、持っていた貯金を全部人間のために与えた…、という程度のものではありません。

時間も空間も自由自在に行き来できる方が、人間の肉体という束縛の中に入られ、その全て、命までも与えて下さり、自分のものをすっかり無くしてくださった、ということです。

今、自由自在に手足を動かせる私たちが、高齢者体験セットを身につけるだけで、「大変だなー」と感じる以上の「拘束感」の中に進んで飛び込んでくださったのです。

愛ゆえです。

「それは、あなたがたが、彼の貧しさによって富む者になるためである。」

イエス様はそれ以外望んでおられないのです。

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全世界で1000万部以上売れたと言われる『7つの習慣』の著者、スティーブン・R・コヴィー氏のエピソードです。

3歳の娘さんの誕生日パーティーの時、彼女はもらったプレゼントを離しませんでした。

招待されたお友達は彼女のプレゼントのおもちゃで遊びたい様子。

当時大学で人間関係を教えていた父親のコヴィー氏は、

「これは分かち合うことを教えなければならない」

と考え、

「おもちゃを貸してあげてくれないかな」

と頼みましたが、

「いや」

ときっぱり断られました。

次に理屈でトライ。

「君がおもちゃを貸してあげれば、今度よその家に行ったときに、おもちゃを貸してもらえるよ」

「いや」

次は買収。

「おもちゃを貸してあげたら、いいものをあげるから。ガムがあるぞ」

「いや」

次に脅迫。

「貸してあげなければ、おしおきだぞ」

「いや」

最後は実力行使で、娘のおもちゃを力ずくで取り上げ、ほかの子供たちに渡したそうです。

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コヴィー博士はこの経験から、

「娘には、貸し与えるという経験の前に、所有するという経験が必要だった」

ということを学びます。

これは人間全てに当てはまることです。

私たちは、与えるという高度なレベルのことをするためには、まず十分所有するという体験が必要なのです。

イエス・キリストが貧しくなられたのは、私たちが富むためです。

その第1ステップを心ゆくまで味わった人が、次のステップに自分から登っていこうとするのです。

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心安らかにして神の富を受け入れましょう。