今日のみ言葉【No.2602】(2021年 8月 3日)「取税人レビ(マタイ)の召命(1)」
そののち、イエスが出て行かれると、レビという名の取税人が収税所にすわっているのを見て、「わたしに従ってきなさい」と言われた。
(ルカ5:27)
——————
今日の御言葉メールはちょっと長くなります。
ここを理解するためには、まず取税人という職業の説明をしておかなければならないからです。
しばらくおつきあい下さい。
-*-*-*-*-*-*-
今日の聖書箇所は、イエス様がレビという取税人(しゅぜいにん)を弟子として召したところです。
取税人は、ローマ帝国の代理として、同胞のイスラエルの民から税や罰金を徴収する人たちでした。
「ああ、それなら現代の税務署とか地方自治体の税金徴収の職員と同じか」
と思われるかもしれませんが、そうではありません。
善良な取税人がいたかもしれませんが、多くはこの仕事で私腹を肥やす人々でした。
-*-*-*-*-*-*-
当時の税金徴収の仕組みを説明します。
ローマ帝国は取税人となる権利を入札制度(オークション)で売り出します。
ユダヤ人A、B、Cの3名が名乗りを上げ、Aが300万円、Bが500万円、Cが1000万円で入札したとします。
ローマ帝国としては高い金額のほうが収入になりますから、Cが落札者になります。
ローマはユダヤ人Cに取税人としての資格を与え、彼に仕事を任せます。
すると、ローマはユダヤの住民から税金を直接取り立てる必要はなくなり、取税人Cが集めたものを受け取れば良いだけになります。
このように間接的に徴収する形をとると、ローマ帝国への反感は取税人へと転嫁されるので、ローマ側としては都合が良いのです。
-*-*-*-*-*-*-
さて、権利料とは言え、そんなに高額を出して採算が取れるのでしょうか?
取れます。
ローマに納める税金以上の額を集めればよいのです。
それどころか、彼らは濡れ手で粟の儲けを得られるのです。
一例を挙げるとこうです。
取税人Cが、
「1軒につき10万円の税金を集めよ。この町は1000軒あるから総額1億円をローマに納めよ」
という仕事を請け負ったとします。
彼一人で1000軒を回るのは無理ですから、
「1軒につき1万円の報酬を出す。100軒回れば100万円の収入だ」
という触れ込みで10人の取り立て人を雇います。
ここまでの必要経費1000万円。
これに取税人Cは自分の儲け1000万円を加えます。
総額1億2千万円を1000軒で割り、
「ローマからの命令で税金を納めよ。1件あたり12万円だ」
として納めさせます。
しかし、人々は「本当は10万円なのに」ということを知っています。
当然、余計に払わされていることに憤りを感じ、しかし、ローマの力を傘に着た取税人に歯向かうことはできません。
同胞を裏切り、自分の儲けだけに勤しむ取税人たちはユダヤ人から憎まれ、一切の人間関係は断ち切られます。
今回のレビ(マタイ)もザアカイも、悪どいやり方をした人であり、裕福ではありましたが社会的に排斥された人たちだったのです。
-*-*-*-*-*-*-
このような背景を持つ人を、イエス様は弟子として呼び寄せました。
この後、どのような展開になるのでしょうか?
次回以降、その詳細を見て参りましょう。
-*-*-*-*-*-*-
-*-*-*-*-*-*-
※御言葉メールのスケジュールは、
・月曜と木曜…キリスト教イロハ
・火曜と金曜…ルカ福音書講解説教
・水曜と土曜…慰めと励ましの聖句シリーズ
となっております。
□ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ □
■メールマガジン「今日のみ言葉」
■発行責任者:山形ジョイフルチャーチ 丸山芳浩
■ご意見ご感想は、 maruyama@mikotoba.org までどうぞ
■Webサイト mikotoba.org
■Youtube 丸山芳浩師 メッセージチャンネル
www.youtube.com/channel/UCXkISdmuTWhsbW1i4DNey6w
■御言葉メールの申込、停止は全て自動でなされます。下記メールアドレスに件名も本文も無い空メールを送信して下さい。
☆御言葉メールをお申し込みになりたい方は
→ reg@mikotoba.org
(仮登録メールが送られますので、その中のリンクをクリックして本登録となります)
★御言葉メールを停止したい方は
→ del@mikotoba.org
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません