今日のみ言葉【No.2601】(2021年 8月 2日)「キリスト教イロハ(171)『ルツ記』」

『落穂拾い』、
ジャン=フランソワ・ミレー作、オルセー美術館、パリ

あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神です。
(ルツ記1:16)

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ミレーの「落ち穂拾い」は世界的に有名な絵画です。

フランス農村の貧しい人たちの姿が描かれている絵ですが、実は今日の「ルツ記」に基づいた作品でもあります。

身寄りのないルツが裕福なボアズと出会い、結婚に至る下りはワクワクする箇所ですが、ルツ記は出世物語ではなく、主題は別のところにあります。

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さて、ルツはイスラエルの民ではなく、異邦人であるモアブ人です。

ここが肝心なところですので覚えておいて下さい。

ルツ記のテーマは、異邦人であるモアブの婦人からイスラエルの建国者ダビデが生まれたという事実を述べることにあります。

4章しかない短い書ですし、ストーリーが波乱に飛んでいるので、興味深く、一気に読める書ですから、まだお読みになっていない方はこの機会にぜひ目を通しておいて下さい。

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大要は次の通りです。

ベツレヘムのエリメレクと妻のナオミとの間に二人の息子が生まれました。

彼らは飢饉のためにモアブの地へ移住しますが、エリメレクはそこで死んでしまいます。

未亡人となったナオミは、二人の息子を育て、彼らはそれぞれモアブ人の女、オパルとルツと結婚します。

ところが、この息子たちも死んでしまい、ナオミは息子の嫁で同じように未亡人となったルツと共にエルサレムに帰ります。

彼女らは神の律法に従い、落ち穂拾いで生計を立てようとします。

神はその正しい生き方に目を止められ、近親者ボアズとの出会いを与え、ルツはボアズと結婚しました。

この結婚により、ダビデの祖父オベデが生まれることとなります。

そして、ダビデの家系から救い主イエス・キリストが生まれるのです。

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ルツ記の内容は次の3つです。

(1)ナオミとルツの信仰的決断(1章)

(2)ルツの信仰による冒険(2〜3章)

(3)ルツの報償(4章)

ルツ記によって、神は人間を分け隔てすることなく、すべての民族の主であることが明らかにされました。

ルツの

「あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神です」
(ルツ記1:16)

という信仰の通りなのです。

ただし、この考えはなかなか浸透せず、新約の時代にペテロが屋上で幻を見、

「神は人をかたよりみないかたで、神を敬い義を行う者はどの国民でも受けいれて下さることが、ほんとうによくわかってきました」
(使徒10:34)

と悟るまで続きます。

さらに、異邦人伝道に遣わされたパウロはこう力説しています。

「ユダヤ人とギリシヤ人との差別はない。同一の主が万民の主であって、彼を呼び求めるすべての人を豊かに恵んで下さるからである」
(ローマ10:12)

救いはユダヤ人のみでなく、全人類に与えられているのです。

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どんな人も救われて良いのです。

神の愛の大きさを味わう今日として参りましょう。

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