今日のみ言葉【No.2589】(2021年 7月16日)「中風の人の癒やし(1)」
ある日のこと、イエスが教えておられると、ガリラヤやユダヤの方々の村から、またエルサレムからきたパリサイ人や律法学者たちが、そこにすわっていた。主の力が働いて、イエスは人々をいやされた。
(ルカ5:17)
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イスラエルには「安息日エレベーター」なるものがあります。
普通エレベーターは行きたい階のボタンを押し、途中で誰も乗り降りがなければ一気にその階まで進み、止まりません。
ところが、この安息日エレベーターは、普通の日は他のエレベーターと全く同じですが、安息日(金曜の日没から土曜の日没まで)には必ず各階ごとに止まるシステムになっているのです。
1階の次は2階、2階の次は3階に止まり、毎回扉が開いて自動で閉まるを繰り返します。
非常に非効率的なのにそれが堂々と運行されているのはなぜかと言うと、ボタンを押さなくていいからです。
モーセの律法によれば、安息日には労働をしてはいけません。
エレベーターのボタンを押せば電気が作動し、火花が飛ぶので、それは「火を起こす」という労働に当たるという理屈らしいのです。
つまり、安息日にエレベーターに乗って、うっかりボタンを押してしまえば、もう律法違反となります。
そうならないように、いちいち各階ごとに止まるエレベーターの仕組みをユダヤ人たちは考え出したのです。
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このように
「七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない」
(出エジプト記20:10)
という律法を人々に守らせるために何重もの防御策を考え出したのが律法学者です。
その動機は善だったでしょうが、いつの間にか「こういう場合は、ああいう場合は」とエスカレートし、その結果、大量の細則が生まれました。
イエス様の時代にはその「口伝律法」が本来のモーセの律法よりも幅を利かせるようになり、人々の行動はこの規定に合わせて縛られていたのです。
特にその人間が作った取り決めを厳格に守って生きたのがパリサイ人です。
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それらの人々が
「ガリラヤやユダヤの方々の村から、またエルサレムから」
(ルカ5:17)
大挙してやってきました。
その目的は何だったのでしょう?
それは
「ナザレのイエスなる人物は本当に聖書で約束された救い主メシアか」
を審査するためでした。
ただし、先に述べたような背景を持った人々ですから、律法の本質よりも表面上の行動で判断しようとします。
また、イエス様は首都エルサレム出身でもなく、有名なラビから学んだエリートでもなく、田舎のナザレ出身の、しかも身分の低い大工の息子ですから、最初から偏見の目が注がれています。
つまり、パリサイ人や律法学者たちは尊敬の目でイエス様を見ていたのではなく、むしろ、目を皿のようにしてあら捜しをしていたであろうことは容易に想像できます。
このような状況だったのだと知ると、次に起きた中風の人の癒やしを通して展開される議論がよくわかります。
以下、次回に続きます。
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私たちには誰でも先入観や偏見というものがあります。
イエス・キリストに対しては全くフレッシュな気持ちで今日も向かいたいものです。
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