今日のみ言葉【No.2531】(2021年 5月10日)「キリスト教イロハ(151)『メシア』」

戦災孤児支援の取り組みとして始まった「藝大メサイア」

シモン・ペテロが答えて言った、「あなたこそ、生ける神の子キリストです」。
(マタイ16:16)

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今や日本の年末の風物詩となったベートーベン作曲「第九」の「歓喜の歌」合唱、そして、ヘンデル作曲「メサイア」の「ハレルヤ」コーラス。

英国王ジョージ2世は「ハレルヤ」コーラスが始まると感動のあまり立ち上がったという逸話が残されています。

英語の「メサイア」は旧約聖書が書かれたヘブル語では「メシア」と発音します。

これは「救い主」を意味します。

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「メシア」はもともと「油注がれた者」という意味です。

旧約時代、イスラエルの王は預言者によって油が注がれ、王と任命され、民を外敵から救いました。

そこから「メシア」(油注がれた者)が「救い主」という意味を持つようになったのです。

新約聖書が書かれたギリシャ語では、「メシア」は「キリスト」という語に訳されています。

つまり、キリストとは本来「油注がれた者」であり、聖書はイエスがキリストであると証言しています。

「あなたこそ、生ける神の子キリストです」
(マタイ16:16)

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ヘンデル作曲の「メサイア」には、彼自身が神と共なる人生を送ったことが背景としてあります。

「Suntory Hall Produce 音の宝石箱」のサイトでは彼のことをこう説明しています。

「ドイツ生まれのゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685〜1759年)は20代半ばで渡英、オペラ作曲家として成功を収めます。興行家としても活躍しましたが40代で興行不振、持病のリウマチも悪化し経済破綻。心身ともに疲れ果てた頃、宗教的内容が色濃く反映された“オラトリオ”の作曲にのめり込んでいきます。」
https://www.suntory-kenko.com/contents/enjoy/hosekibako/hsk-work05.aspx

ヘンデルはロンドンでオペラで成功して以来、女王アンの恩顧を受け、王室付き作曲官となりましたが、人気はいつか落ちるもの。

さらに病気が加わって人生のどん底を味わったのです。

その頃、彼はアイルランド提督から「メサイア」の作曲の依頼を受けます。

逆境のさなかでヘンデルは神と共に作曲を成し遂げます。

彼自身が救い主なる「メシア」を意識する作曲だったでしょう。

今でも全世界で歌われているのはそのためだと考えられます。

ヘンデルは死ぬまで、ロンドンの孤児院で「メサイア」の定期演奏を行ったと言います。

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今日も救い主「メシア」と共に歩んで参りましょう。

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