今日のみ言葉【No.2381】(2020年10月16日)「ゲツセマネ(2)」
「わたしは悲しみのあまり死ぬほどである。ここに待っていて、目をさましていなさい」。
(マルコ14:34)
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「ストイックな生き方」という表現を聞きますが、ストイックとは禁欲的生き方を説いた古代ストア派哲学者が語源です。
そのひとりで、ローマ皇帝ネロの顧問となり、ストイックとは正反対に裕福な生活をしたセネカという人がいます。
彼は、月に数日は貧しさを経験するべきだと言いました。
少量の食べ物で、みすぼらしい格好をし、快適な家と寝床から離れるよう説いたのです。
そして、
「これが今までお前が恐れていたことなのか?」
と自分に問えと言うのです。
セネカは、不快な生活を恐れるのではなく、むしろ自分から経験してみなさいと勧めています。
快適さを追い求める生活をしていると、それを失うことを恐れるようになり、結果として人を欲の奴隷にしてしまうから、というのが彼の結論です。
不運を予期していたずらに恐れるのではなく、実際に経験することができれば、曖昧な不安は激減することでしょう。
イエス様は実際に恐怖の中に飛び込み、私たちのために救いの道を開いて下さいました。
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今日の聖句を読むと、イエス様でも恐れとおののきがあったのだと知ります。
この直前、ゲツセマネの園に行く途中、イエス様は力強く語っておられました。
「あなたがたは、この世ではなやみがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている」
(ヨハネ16:33)
しかし、園に到着し、祈り始めると、
「恐れおののき、また悩みはじめて」
(マルコ14:33)
となり、ついに
「わたしは悲しみのあまり死ぬほどである。ここに待っていて、目をさましていなさい」
(マルコ14:34)
と、ペテロ、ヤコブ、ヨハネら3人の弟子たちに頼むほどでした。
いざ十字架の死が目の前にやってくると、イエス様ほどの方でも死の恐れに圧倒されるのでしょうか?
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それはおかしな考え方です。
イエス様は死んだラザロをよみがえらせた方であり、十字架の死後、御自身が復活されることを弟子たちに何度も語っておられました。
ですから、キリストが
「恐れおののき、また悩みはじめて」
(マルコ14:33)
という様子を示したのは別の理由からです。
考えられるのは人間の罪との関係です。
救い主メシアは人の罪のために傷つけられることが聖書に預言されています。
「しかし彼はわれわれのとがのために傷つけられ、われわれの不義のために砕かれたのだ。彼はみずから懲しめをうけて、われわれに平安を与え、その打たれた傷によって、われわれはいやされたのだ」
(イザヤ53:5)
ですから、
「わたしは悲しみのあまり死ぬほどである」
(マルコ14:34)
とは、死を前にしての感情ではなく、人間の罪を負おうとされた時にイエス様が味わった苦痛です。
その時、罪の物凄さにおののかれたのです。
人間の罪の現実とはそれほどまでに恐ろしいものなのです。
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イエス・キリストは現実の人間の罪と汚れを
「父がわたしに下さった杯は、飲むべきではないか」
(ヨハネ18:11 )
と、真正面から、逃げることなく飲み干そうとされました。
このような御方が今も生きて私たちのそばに立ち、働いておられるのを知ることは何という励ましでしょうか。
私たちも自分の罪の現実に挑戦し、十字架の赦しを信じつつ、イエス様と共にチャレンジする一日を送って参りましょう。
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