今日のみ言葉【No.2239】(2020年 4月 6日)「キリスト教イロハ(60)『サムソン』」

2020年4月6日

(ジェームズ・ティソ作「驢馬のあごの骨をふるってペリシテ人1000人を打ち殺したサムソン」)

サムソンは主に呼ばわって言った、「ああ、主なる神よ、どうぞ、わたしを覚えてください。ああ、神よ、どうぞもう一度、わたしを強くして、わたしの二つの目の一つのためにでもペリシテびとにあだを報いさせてください」。
(士師記16:28)

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「こんな人が神に選ばれていいの?」

と思うような豪傑が旧約聖書に登場します。

士師記13章~16章に出てくるサムソンです。

この人がよく知られているのは、人並み外れた力持ちで、イスラエルを外敵から救った英雄であることもありますが、聖なる人と呼ぶには程遠く、女性関係で失敗して身を滅ぼし、しかし最後に悔い改めて大逆転のわざをなしたことが人気の理由なのでしょう。

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サムソンは生まれつきナジル人の誓願を立てられた人で、髪を切らない人でした。

「わたしの頭にはかみそりを当てたことがありません。わたしは生れた時から神にささげられたナジルびとだからです。もし髪をそり落されたなら、わたしの力は去って弱くなり、ほかの人のようになるでしょう」
(士師記16:17)

サムソンの力の秘密は髪の毛にあったとありますが、これは突き詰めれば神との関係が有るか無いかということです。

それを象徴する出来事があります。

敵のペリシテ人に攻められた時、主の霊が激しく彼に臨み、

「彼はろばの新しいあご骨一つを見つけたので、手を伸べて取り、それをもって一千人を打ち殺した」
(士師記15:15)

とあります。

ろばのあごの骨とは「無意味なもの」の象徴です。

全く無力なものが、サムソンという神の人の手にかかると一千人の敵を打ち破るための道具として用いられたのです。

実はこの段階で、サムソン自身が

「自分はこのろばのあごの骨のような者だ。神様の手にあるからこの大力が出るのだ」

と気づけばよかったのですが、彼はこの力が自分のものだと思ってしまいました。

やがて敵の女スパイのデリラの巧妙な策略に乗り、髪の毛が剃られてしまった時に、力を奮おうとしましたが、

「彼は主が自分を去られたことを知らなかった」
(士師記16:20)

とあります。

神との関係の象徴である髪の毛が失われたことで、神の力は去り、弱くなったサムソンは悲惨な目に遭います。

「そこでペリシテびとは彼を捕えて、両眼をえぐり、ガザに引いて行って、青銅の足かせをかけて彼をつないだ」
(士師記16:21)

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人は挫折し、もう二度とあの栄光の場には戻れないと悟らされた時が人生の分岐点です。

あきらめてそのまま生きる、自暴自棄になる、新たな喜びや意味を創り出して生きる等、様々な方向に道は広がっていますが、サムソンは神に立ち返る道を選びました。

「サムソンは主に呼ばわって言った、『ああ、主なる神よ、どうぞ、わたしを覚えてください。ああ、神よ、どうぞもう一度、わたしを強くして、わたしの二つの目の一つのためにでもペリシテびとにあだを報いさせてください』」
(士師記16:28)

すると、それまでの間に獄中で伸びていた髪の毛があり、神の力を取り戻したサムソンは、三千人のペリシテ人を殺して自らも死んだと記されています。

このことは

「こうしてサムソンが死ぬときに殺したものは、生きているときに殺したものよりも多かった」
(士師記16:30)

とまとめられています。

つまり、「ろばのあごの骨」となったサムソンは、神の手に自分をゆだね、真の意味で神に用いていただくと、彼が元気であった時以上の力を現すことができたということです。

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今あるは神の恵み。

神の力を信じ、おまかせし、今日の一日を力強く歩んで参りましょう。

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