今日のみ言葉【No.1508】(2017年 4月 3日) 074 「ラザロのよみがえり」(7)

イエスは彼女に言われた、「もし信じるなら神の栄光を見るであろうと、あなたに言ったではないか」。
(ヨハネ11:40)

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イエス様はマルタに、

「石を取りのけなさい」
(ヨハネ11:39)

と言いました。

しかし彼女は、死後4日もたった現実に、すべては不可能という見方しかできませんでした。

「死んだラザロの姉妹マルタが言った、『主よ、もう臭くなっております。四日もたっていますから』。」
(ヨハネ11:39)

マルタは、ついさっき

「主よ、信じます。あなたがこの世にきたるべきキリスト、神の御子であると信じております」
(ヨハネ11:27)

という素晴らしい信仰告白をしたばかりでしたが、一転、現実を目の前にすると、その信仰も吹き飛んでしまいました。

これがマルタのありのままの姿であり、私たちの姿かもしれません。

イエス様はそのマルタを非難することもなく、むしろ何かをわからせようとしてこう語られました。

「イエスは彼女に言われた、『もし信じるなら神の栄光を見るであろうと、あなたに言ったではないか』。」
(ヨハネ11:40)

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イエス・キリストは我々の信仰の程度をご存知なのです。

口先では勇ましく、「神は全能」「全ては最善となる」と言っておきながら、その数秒後には恐れと不安に満たされる私たちの実態をあらかじめ知っておられるのです。

ですから、「マルタのようになってはならない!」と、自分を戒めたり、マルタと同じ自分をあわてて隠そうとしてはいけません。

もう既に神様には丸見えなのですから、

「神様、私もマルタと同じです。せめて言葉だけでも、と思って模範解答を言っておりますが、それは薄皮饅頭の薄い皮の部分のようなもので、肝心のあんこの部分はほとんど不信の塊です」

と正直にありのままの自分を神の前にさらけ出すのが最も良いのです。

そのあなたに、イエス様はやさしく

「もし信じるなら神の栄光を見るであろうと、あなたに言ったではないか」

と語って下さり、思いがけない神の御業を見させてくださるからです。

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ある私立高校で2年間、非常勤講師をしたことがあります。

その学校はミッションスクールではなく、一般の高校でしたので、キリスト教の伝道はできません。

そこで私は持っていくカバンに「I love Jesus」(イエス様を愛しています)のステッカーを貼りました。

これで「私はクリスチャンですよ」と暗に宣伝しているつもりだったのです。

調子の良い時はこれで行けたのですが、調子の悪い時もあります。

「クリスチャンながらこんな生き方をしていいのかな」と思う時や、「神様って本当にいるのだろうか」と心に疑いが満ち、確信が持てずに弱っている時は、「I love Jesus」のステッカーを貼っていない面を表に向け、「私だって普通の人間ですよ」と心の中で言い訳しながら登校していたものです。

本当にカバンの向きをクルクル変えながら送った毎日でした。

さすがにこれではいけないと思い、貼っていなかった面にもステッカーを貼ることにしました。

「Maranatha」(マラナタ。主よ来たりませの意)です。

これで隠れキリシタンの道は閉ざされました。もう逃げられません。

しばらくの間、ドキドキしながら学校の職員室で過ごしましたが、誰も何も気づきません。

結局私の一人相撲だったんだな、とわかるまでには相当の月日を要しましたが、その間、ある先生がずっと私のことを祈っておられたことを後に知ることになります。

実はその学校にたった一人だけクリスチャンの先生が勤務しておられ、それが同じ英語科の主任のT先生だったのです。

T先生は、でしゃばって教えることもなく、穏やかに、あたたかく、私のありのままを見守り、どうしても必要な時に

「こうしたらどうだろうか」

とおっしゃるだけで、後は私の好きにさせて下さいました。

「私がやってやる!」と力んで、しかし次の瞬間、イエス様を知らないと言ったペテロのような存在の私たちです。

イエス・キリストは私たちのありのままを知っておられ、その私たちを受け入れ、愛しておられます。

神はT先生のような存在を、私たちが力んで頑張る前から用意しておられるのです。

その存在に気づくのは、あなたが自分の我力の行き詰まりに出会い、我力を手放し、神にゆだねざるを得なくなった時です。

「自分ではもうダメだ」

と言えた瞬間が、神が既に与えておられた祝福に気づく瞬間であり、そこから本格的に神のエンジンがかかりだし、神と共に歩む人生が始まるのです。

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80点だと思っていたのに30点の自分であることを見せつけられた人は幸いです。

そこから神との歩みが始まるからです。

今日もありのままの自分を良しとしてくださる神様との出会いを体験して参りましょう。

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