今日のみ言葉【No.2211】(2020年 2月28日)「権威問題(3)」
2020年2月28日
それで彼らは「わたしたちにはわかりません」と答えた。するとイエスは言われた、「わたしも何の権威によってこれらの事をするのか、あなたがたに言うまい」。
(マルコ11:33)
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コロナウイルスのニュースで不安になる時は、感染症の専門医、その道の権威の人の意見を聞くことが大事です。
政府専門家会議のメンバーで、中国を中心に広がったSARSの事態収拾への陣頭指揮を取り、収束させた経験を持つ押谷仁教授(東北大学大学院医学系研究科)はこう言われます。
「まず我々がすべきことは、自分が感染しないかではなく、いかに人に感染させないかです」
(https://news.yahoo.co.jp/feature/1582)
うがい・手洗い等で自分の身を守る事に精一杯の私たちですが、その先のレベルを見ておられる方のアドバイスを聞くと、高い山の頂から麓を一望できたかのような感があり、これからこうやればよいのだという見通しがつく感じがします。
権威には人を守る力があるのです。
神からの権威に対する質問に、イエス様は誰をも傷つけない愛の解答をなさいました。
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イエス様の
「ヨハネのバプテスマは天からであったか、人からであったか」
(マルコ11:30)
という反対質問にはバプテスマのヨハネという人物を知っていることが前提となっています。
彼は、旧約聖書で預言されていた救い主メシアがもうすぐやってくるから備えなさいと説いた人で、イエス・キリストの前触れとなった人です。
時代は今まさに旧約から新約に移り、メシアを迎え入れる方に考えを変えるようにと彼は悔い改めのバプテスマを施しました。
「バプテスマのヨハネが荒野に現れて、罪のゆるしを得させる悔改めのバプテスマを宣べ伝えていた」
(マルコ1:4)
これは彼が誰に頼まれてやったわけではありません。
また、ユダヤの宗教制度によって洗礼を授けていたわけでもありません。
彼は天からの啓示によってこれをなしており、イザヤの預言の成就でもありました。
「呼ばわる者の声がする、『荒野に主の道を備え、さばくに、われわれの神のために、大路をまっすぐにせよ」
(イザヤ40:3)
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さて、祭司長、律法学者、長老たちはイエス様からの挑戦とも言える反対質問に即答はできませんでした。
「すると、彼らは互に論じて言った」
(マルコ11:31)
おそらくは額(ひたい)を合わせるようにしてヒソヒソと話した内容はこうです。
「もし天からだと言えば、では、なぜ彼を信じなかったのか、とイエスは言うだろう。しかし、人からだと言えば……」
(マルコ11:31-32)
彼らは窮地に追い込まれていました。
まず、ヨハネのバプテスマが神からのものだという答をすれば、「では、なぜ彼を信じなかったのか」と追求され、この議論に負けてしまいます。
その反対に、「いや、あれはヨハネが勝手にやった人間のわざだ」とでも言おうものなら、群衆の猛反対に遭い、自分たちが信頼を失うことは目に見えていました。
なぜなら
「人々が皆、ヨハネを預言者だとほんとうに思っていたからである」
(マルコ11:32)
彼らは神を恐れるというより、人を恐れていたのです。
「彼らは群衆を恐れていた」
(マルコ11:32)
旧約聖書の箴言にこうあります。
「人を恐れると、わなに陥る、主に信頼する者は安らかである」
(箴言29:25)
祭司長、律法学者、長老たちは、まさに人を恐れて右往左往し、自分を取り繕うのに精一杯の状態だったのです。
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神からと言っても負け、人からと言っても負けるとわかった彼らは、この議論を引き分けに持ち込もうとしました。
「それで彼らは『わたしたちにはわかりません』と答えた」
(マルコ11:33)
これに対してイエス様はもっと追求できたはずですが、彼らを追い詰めることはしませんでした。
相手側の誤りはすでに明白に示されていたからです。
そして
「わたしも何の権威によってこれらの事をするのか、あなたがたに言うまい」
(マルコ11:33)
と言われてこの議論を閉じました。
後は彼らの判断に任せたのです。
ここに神が人間に与えた自由と愛が見えます。
敵として出てきた祭司長、律法学者、長老たちを愛し、彼らをそのままにさせ、自分たちの考えで悔い改める余地を残し、彼らの自由を尊重されたのです。
また、真理に立つ者は自分の立場をより一層固めようとする必要はないのです。
真理の権威は、真理それ自体の中にあるからです。
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神によって与えられた信仰のみが力であり、権威です。
この権威をもって人々に福音を伝え、神の愛を届ける器として生きて参りましょう。
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