今日のみ言葉【No.2262】(2020年 5月 7日)「キリスト教イロハ(68)『七十人訳聖書(1)』」
多くの民は来て言う、「さあ、われわれは主の山に登り、ヤコブの神の家へ行こう。彼はその道をわれわれに教えられる、われわれはその道に歩もう」と。律法はシオンから出、主の言葉はエルサレムから出るからである。
(イザヤ2:3)
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アメリカで日本人のご家庭にホームステイさせていただいたときのことです。
純日本人のお父さんは
「一日に一回は米の飯を食べないと腹がおさまりません」
と言って、毎日ご飯をお食べになります。
ところが、アメリカで生まれ育ったお子さんたちはそうではありません。
日系2世になると日本語より英語のほうが得意であり、食べるものもアメリカ流の食習慣に馴染んでいますから、お父さんにとっての「米の飯」は彼らの場合「ハンバーガー」になります。
お孫さんの3世の頃には、もはや完全にアジア系アメリカ人です。
民族の特徴というものは、周囲の環境によって影響され、失われやすいのです。
伝統を守るイスラエルの民にとってそれは危機と見なされます。
そこで生まれたのが七十人訳聖書です。
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七十人訳聖書(しちじゅうにんやくせいしょ)とは、ギリシャ語訳の旧約聖書です。
72人の学者たちが訳したことからこの名前がつけられたという伝承があります。
時は紀元前3世紀の中頃、エジプトのアレキサンドリアで訳され、70という数字から「セプトゥアギンタ」と呼ばれます。
セプトゥアギンタとはローマ帝国の公用語であるラテン語で70の意です。
LXXと略記することがあります。
(ローマ数字で50はL、10はXと表記するから)
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さて、なぜ旧約聖書の翻訳作業という大事業を行ったのでしょうか?
ユダヤ人の基本的考え方として、イスラエルが世界最高なのだから、ユダヤ人以外の異邦人が神を知りたければ、イスラエルに学びに来るべきだと考えます。
イザヤのこのような預言があるからです。
「多くの民は来て言う、『さあ、われわれは主の山に登り、ヤコブの神の家へ行こう。彼はその道をわれわれに教えられる、われわれはその道に歩もう』と。律法はシオンから出、主の言葉はエルサレムから出るからである」
(イザヤ2:3)
ですからユダヤ教ではキリスト教のように外部に伝道するということをしません。
それなのになぜ異邦人の言語であるギリシャ語翻訳をしたのでしょうか?
実は、アレキサンドリアに住むユダヤ人の親は子供たちの言語の問題について大変な課題を抱えていたからです。
以下、次回に続きます。
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神の祝福は、「問題」という包装紙に包まれて送られてくることがあります。
臆せずその包みを開け、他者への祝福の基となる道を歩んで参りましょう。
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