今日のみ言葉【No.2203】(2020年 2月18日)「信仰と祈り(5)」
2020年2月18日
また立って祈るとき、だれかに対して、何か恨み事があるならば、ゆるしてやりなさい。そうすれば、天にいますあなたがたの父も、あなたがたのあやまちを、ゆるしてくださるであろう。
(マルコ11:25)
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スポーツメンタルコーチの鈴木颯人さんは、
「メンバーに指示したことがなかなか伝わらない」
というリーダーの悩みにこう答えています。
「自分の言葉は『伝わらない』前提で、どう伝えれば理解してもらえるか、作戦を立てることが大切です」
(『究極のメンタルコーチ術』、KADOKAWA、P53)
日本語が話せない外国人選手にではなく、日本人選手に日本語で話しても、その人によって聞いたことの解釈は異なるのです。
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以下のようなワークを3人以上で行うと「人によって解釈は異なる」ということが実感できます。
ワークをする人それぞれに1枚の紙を渡し、次の6つの命令を実行してもらいます。
(1)目をつむって紙を持ちます
(2)真横に折って下さい
(3)今度は縦に折ります
(4)もう一度、真横に折って下さい
(5)右端をちぎって下さい
(6)目を開けて紙を広げます
すると、同じ手順でやったはずなのに、出来上がった紙の形が違うことに驚きます。
聖書を読む時も同じことが起きます。
正しい導きがなければ、人によって異なる解釈をして、それをそのまま信じてクリスチャン生活を続けているということはよくあることなのです。
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前置きが長くなりましたが、今日のイエス様の言葉も誤って解釈してしまえば
「私は今ある人を憎んでいる。だから神様も私をゆるしてくれない」
「早くゆるさないといけない。でもゆるせない。このままでは天国への道は閉ざされてしまう」
と、焦りと絶望感を抱えながら教会に行く人が出てきます。
ここではっきりさせておかなければならないことは、聖書の大前提は、
「イエス・キリストを自分の罪からの救い主と信じた者は、その罪がすべてゆるされる」
ということです。
キリストを信じた人は、その信仰と神の恵みによって、裁かれることなく、すでにゆるされているのです。
「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。神が御子を世につかわされたのは、世をさばくためではなく、御子によって、この世が救われるためである」
(ヨハネ3:16-17)
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また、今日の聖句の箇所は、十字架直前の時であり、しかも弟子たちに対してイエス様は語っています。
ですから、全部罪がゆるされた人を対象にして、かなり高度なことが語られているのだと理解しなければなりません。
ここは直前の
「なんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう」
(マルコ11:24)
という約束がかなうための条件なのであって、救いを失うことではありません。
通常、自分の罪がゆるされた人は、そのあまりの恵みの大きさに感動し、他者もゆるすようになります。
これは神の御心と一致していますから、信じて祈ることは神様によって答えられます。
ところが、自分はゆるしてもらったのに他者をゆるさないでいる状態は神の思いとは違います。
人間と神との間に祈りのパイプがあるとすれば、その間が「ゆるさない」という罪に塞がれ、天からの神の祈りの答えが届かないという具合になるのです。
ですから、悔い改めて罪の告白をするのです。
「もし、わたしたちが自分の罪を告白するならば、神は真実で正しいかたであるから、その罪をゆるし、すべての不義からわたしたちをきよめて下さる」
(第1ヨハネ1:9)
神はこころよくゆるして下さり、さらには私たちの思いを新たにしてくださり、他者をゆるそうという方向に進めてくださいます。
そうやって、祈りが答えられるという信仰生活が続いていくのです。
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クリスチャンのA君は、どうしてもゆるせない人がいるのでK牧師に話を聞いてもらいましたが、
「本当に頭にくる。あいつは絶対にゆるせない。僕は何も悪くない」
の一点張りです。
経験豊かなK先生は静かに話を聞いた後、
「君はクリスチャンだね?」
と言いました。
A君はビクッとしました。
「クリスチャンならゆるして当然だろう」
というお叱りの言葉が来ると予想したからです。
しかし、K先生の言葉は違いました。
K:「君がクリスチャンなら、人間は神様とは違って不完全な存在だということは認めるね?」
A:「はい、その通りです」
K:「そうすると、100%相手が悪くて100%自分が正しいということはないことになる」
A:「まあ、そうですが…」
K:「どうだろう、0%は無いとして、何%くらい自分にも非があると思えるだろうか?つまり、あれは自分でも行き過ぎだったなあ、と認められる分はどのくらいかなということだけれど…」
するとA君は、
「最初は相手が全部悪いんですけど、あの後、頭にきて怒鳴ったことは悪かったと思います。先生、でも、そんなのあいつのやったことに比べれば1%にもなりませんよ」
と言いました。
K先生はすかさず、
「じゃあ、その1%にもならないけど、自分が悪かったと認められる分を神様の前にお詫びして、罪の告白の祈りをしようじゃないか。僕もあなたの罪が赦されるように神様に祈るから」
とおっしゃいます。
A君は自分が言った手前、そしてクリスチャンであることのプライドから、渋々ながらK先生に導かれてお祈りの時を持ちました。
「神様、あの時は怒鳴ってすいませんでした。あれは僕が悪かったです。ゆるして下さい。イエス様のゆるしを信じます。アーメン」
短い祈りながら、やっと祈った後、彼の心と顔は変わっていました。
ほんの一部でも、自分の罪を認め、神との祈りのパイプが通じ出すと、天から命が注ぎ込まれ、人間の心は新しく変えられていきます。
A君はその後、ガラリと心が明るくなり、相手をゆるそうという思いになり、とうとう
「俺も悪かったよ」
と言って、相手と仲直りしたということです。
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完全でなくても、まず一歩、あなたのゆるせない人をゆるしましょう。
そこから神の力が私たちの内側に広がっていきます。
そのためには、自分がゆるされていることを知り、どんどん罪の告白をし、祈りのパイプの通りを良くしておくことです。
神様との間に何のわだかまりもなく、祈りの手応えを感じる信仰生活を送って参りましょう。
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