今日のみ言葉【No.2155】(2019年11月28日)「キリスト教イロハ(33)『神の義』」

2019年11月28日

それは、今の時に、神の義を示すためであった。こうして、神みずからが義となり、さらに、イエスを信じる者を義とされるのである。
(ローマ3:26)

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香港では激しいデモの真っ最中に区議会議員選挙が行われ、世界中の注目を集めました。

総議員の7割を占めていた親中派からすればデモ隊は「暴徒」と映り、彼らは悪で自分たちは正義の立場にいると考えます。

逆に民主派からすれば、デモ隊は「正義の味方」です。

さて選挙は民主派が8割以上の議席を占める圧勝となり、親中派は2割以下と大逆転の結果となりました。

当然、現在の正義は民主派の意見となります。

このように、人間の世界の「正義」なるものはその時と立場によってコロコロと変わります。

それでは神の正義、神の義(ぎ)を聖書ではどのように説明しているのでしょうか。

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聖書でいう「義」とは、神の意志に対して忠実であることです。

神はその基本的意志をモーセの十戒を通して表されました。

ですから、十戒を守り、十戒に表される神の御心に対して正しい態度と行動を取るということが神の義を行う生き方であると言えます。

神の義を手っ取り早く理解しようとするなら、まずこの辺のところまでで良いでしょう。

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さて義なる神は人間に対してもその神の義を行うことを求めます。

神は聖にして義なる御方ですから、人間側も同じ聖と義でもって神に対面する必要があるのです。

しかし現実はどうでしょうか。

人間は神の正しさを部分的には行うことはできても、完全には行うことができません。

人間は神の規準に到達し得ない罪人(つみびと)なのです。

ここで

「そんなことくらい誰にでもある。まあいいじゃないか」

という人間世界で通用する言い訳や慰めで人の罪や不正を見逃すことは神にはできません。

そんなことをしてしまえば、神は神でなくなり、神は義ではなくなってしまうからです。

そこで神は罪のない神の子イエスを十字架につけられたのです。

「それは、今の時に、神の義を示すためであった。こうして、神みずからが義となり、さらに、イエスを信じる者を義とされるのである」
(ローマ3:26)

「神みずからが義となり」とは、神は罪を黙認する不正の神ではなく、罪を罰し、償いを要求する義の神であるという御自分の正当性を証明したということです。

そして「イエスを信じる者を義とされる」とは、この神の意志に対して忠実な態度で臨む人、すなわちキリストの十字架が自分の罪のあがないであったと信じる者を、神は義と認められるということなのです。

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このことを理解するために、少し長くなりますが以下のような話があります。

ある地主さんが自分の空き地を駐車場としてA社とB社に貸す契約を結びました。

昔ですので今のようなパーキングシステムがあるわけではなく、監視も置かない全くの青空駐車場でした。

数年後、ある情報が地主さんの耳に寄せられました。

「A社とB社は契約台数以上の車を駐車しているようだ」

早速調べてみると、その通りだということがわかりました。

「信頼していたのにどういうことだ!」

カンカンに怒った地主さんは、不正に駐車していた数年分の料金をまとめて両社に請求しました。

A社長は「申し訳なかった」と言って詫びを入れ、即金で支払いました。

地主さんとは笑顔で和解となり、「今後共よろしく」と言われ、今までどおりの関係を続けられるようになりました。

ところが、B社長は手持ちに多額の現金がありません。

それ以上に、ふだん善人面をしていた自分の不正が表にさらされることが何よりも堪(こた)えたようです。

地主さんからは「どうするつもりだ」と厳しい顔で詰め寄られます。

そこでA社長に相談すると

「あなたも私と同じように払いなさい」

と言われるばかりです。

それから後、B社長は方方(ほうぼう)に頭を下げてお金を工面し、なんとか支払い、完済したということです。

さてここから仮定上の話ですが、もしこの地主さんが支払いに滞(とどこお)るB社長をあわれんで、こう言ったとしたらどうでしょう。

「Bさん、お金はなんとしても払ってもらわねばならぬ。安易に勘弁したら私がルールを破った不正な者となってしまう」

「そこでどうだろう、うちの息子をおたくの会社で働かせてもらえないか。息子の分の給料全額を駐車料金として父親の私がもらう。そうやって何年かかってでも息子に払わせる。あいつもそれは承知で喜んでBさんのために自分の人生を捧げると言っている」

これが神が神の義を示すということであり、十字架の福音ということなのです。

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神の義が厳しいからこそ神の愛は輝きます。

神の義を代わりに全うして下さったキリストの十字架を信じ、その福音の中を歩む今日として参りましょう。

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