今日のみ言葉【No.2142】(2019年11月12日)「苦難にあずかる者(3)」
2019年11月12日
あなたがたは自分が何を求めているのか、わかっていない。
(マルコ10:38)
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初めて日本に来たアメリカ人をホームステイ先にお連れする際、事前に
「玄関で靴を脱いでから家に入って下さいね」
と念を押します。
「わかっているよ」
という顔をされますが、こちらが持っているイメージとあちらが持っているイメージは違っていることの方が多いので、大概そこでひと騒動起こります。
一番多いのは、玄関に着くやいなや、心得たとばかりに立ったままその場で靴を脱ぐケースです。
形式のみ真似して、肝心の「清潔さを保つ」という目的を理解していないとこのような解釈となるわけです。
ただ、これでは足の裏が汚れているので屋内に入ってもらっては困ります。
しかし、本人は日本の伝統に沿った正しいことをしていると思って「どうだ!」とばかりにドヤ顔をしています。
これは後々笑い話となり、あの時のエピソードとなって思い出の中に加わりますから良いのですが、神様と人間との関係でも同じようなことが起こります。
私たちが「良し」とする思いと、神の御心とは違っている場合が多いのです。
-*-*-*-*-*-*-
弟子のヤコブとヨハネは真っ当な願いだと思って
「栄光をお受けになるとき、ひとりをあなたの右に、ひとりを左にすわるようにしてください」
(マルコ10:37)
と、将来の大臣の席を確保してくれとイエス様に頼みました。
この二人が持っていたイメージは将来の安定と栄光の姿です。
自分たちの思いが自己中心であることも、イエス様の傷心もわかっていません。
その彼らに対して、イエス様は怒りもせず、くどくどと説教もせず、
「あなたがたは自分が何を求めているのか、わかっていない」
(マルコ10:38)
と、まず彼らの客観的姿をお伝えになりました。
次にイエス様は
「あなたがたは、わたしが飲む杯を飲み、わたしが受けるバプテスマを受けることができるか」
(マルコ10:38)
と、徐々に夢から現実へと彼らの目を向かわせようとなさいます。
イエス様が三度も予告された受難を共に耐え忍ぶことがこれから起きることなのだよ、と言っておられるのですが、彼らの目に映っているのは彼ら自身の夢であり、実際の現実の姿が見えているわけではありません。
これから起きる現実がどれほど大変なのかがわからないので、彼らは
「できます」
(マルコ10:39)
と答えてしまいました。
できるはずがないのです。
実際弟子たちはゲッセマネの園でイエス様を見捨てて皆逃げてしまったのですから…。
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しかしイエス様はこうおっしゃいます。
「あなたがたは、わたしが飲む杯を飲み、わたしが受けるバプテスマを受けるであろう」
(マルコ10:39)
資格不十分な弟子たちの、その先の未来を見ておられるからです。
イエス様の十字架の後の復活、そして昇天後のペンテコステで聖霊が降り、弟子たちはキリストの証し人として一変します。
そして、十二弟子のほとんどは殉教の死を遂げました。
自己中心で自分の本音を知らない弟子たちでしたが、イエス様のみもとに来る時、まるで引力が働くかのように神の御心の軌道に乗せられ、いつの間にか苦難を共にする者へと変えられていったのです。
私たちも自分が何を求めているのか、わかっていない者ですが、その不十分な姿でイエス・キリストのもとに身を寄せる時、神の御心を行う者へと変えていただけます。
この時に、苦難は苦難でなくなります。
苦難や試練は避けるべきものではなく、神と共になす愛の労苦へと意味が変えられるからです。
神を信じたら一切の苦難が取り払われるということではありません。
むしろ、神と共に苦難の中に飛び込む人生を生きているのだという実感に満たされ、積極的に愛の労苦を行う者へと私たちが変えられているのを感じながら生きていくようになるのです。
ここに神を信じる時の希望があります。
-*-*-*-*-*-*-
今日、どんな姿でも構いません。
イエス様のみもとに祈りを通して身を寄せ、あなたの願いを神に申し上げましょう。
そこから、自分の願い通りにはならなくとも、神の御心を生きる人生が始まります。
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