今日のみ言葉【No.2082】(2019年 8月28日)「神が与える希望」

あなたはわたしの誉を増し、再びわたしを慰められるでしょう。
(詩篇71:21)
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今年送られてきた各種同窓会の案内が、いつもと違う内容になっていることに気づきました。
どれにも
「今後もこのような案内の送付を希望するか」
と問う文章が添えられています。
私が今年60歳になる学年の組だからです。
多くの人にとって60歳は定年の年であったり経済状況の変化がある区切りの時期なので、様々なことが考慮されているのでしょう。
「人生100年時代。これから後半の40年が始まるのだ」
と励まされても、
「人生はほぼ決まり。これから大逆転を期待しても可能性は薄い。それよりは現状維持で、今よりひどくならないように努めよう」
というのが大方の人の本音なのではないでしょうか。
ところが、詩篇第71篇の記者が書く内容は、
「人生これからだ!」
という不屈の精神に満ちています。
これはなぜなのでしょう?
彼の人生は順風満帆だったからなのでしょうか?
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詩篇第71篇は、人生の晩年に到達し、自分の人生を振り返った時、そのあまりの理不尽さにうめき苦しむ老人の祈りです。
彼は試練に遭うたび神に助けを求め、強い信仰で切り抜けてきました。
しかし、人生の最後で苦しめられるのは、名誉毀損の苦しみです。
「あの人はカクカクシカジカ、こんなひどい人なのだ」
と悪口を言われ、それを聞いた人たちが信じてしまい、定評になるといった状況で長年生き続けなければならないということです。
老年になれば、食欲も性欲も金銭欲も衰え、さして苦しみは無いように周りの人は思うかもしれません。
しかし、自分の名誉が傷つけられ、それを覆すことができない苦しみは相当なものなのです。
詩篇第71篇の記者の人生は順風満帆なものとは程遠く、人生の最後にあって解決不能に見える問題につきまとわれていました。
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しかし、
「あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ」
(伝道の書12:1)
との御言葉通り、若い時から神を信じ、神に頼り、困難のたびごとに神への信頼を養成してきた人は、ここにおいても希望を抱くことができます。
それは、神が与える希望と人が作り出す希望とは質的に全く異なるからです。
人間が作る希望は、必ず現在の延長線上にあります。
まず、過去の経験から今の自分を考え、そして未来を思い描きます。
「今までこうだったから、きっとそうなる」
あるいは、たとえ僅かであっても客観的数字を根拠に希望を作り出します。
「1%でも可能性があるのだから、ぜひともそうなって欲しいものだ」
自分に自信がない時は、他者の言葉を頼りにし、それを踏み台にして将来に希望を持とうとします。
「あの人がああ言ってくれるのだから間違いないだろう」
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しかし、神が与える希望は、完全に絶望の中での希望です。
アブラハムは神から子が与えられるという約束をいただいていましたが、とうとう99歳になり、子が生まれる希望が無くなった時にイサクが生まれるという希望が与えられ、それが現実となりました。
パウロはそれをこう語ります。
「彼は望み得ないのに、なおも望みつつ信じた。そのために、『あなたの子孫はこうなるであろう』と言われているとおり、多くの国民の父となったのである」
(ローマ4:18)
実は重要なことはその次なのです。
神はアブラハムにその子イサクを捧げよと命じられました。
彼は神の言われたとおりにし、本当にイサクをいけにえとして捧げる寸前で御使いに止められました。
「アブラハムが手を差し伸べ、刃物を執ってその子を殺そうとした時、主の使が天から彼を呼んで言った、……、『わらべを手にかけてはならない。また何も彼にしてはならない』」
(創世記22:10-12)
アブラハムは「イサクは必ず生かされる」という希望を持っていたということがポイントです。
神の命令は絶対ですから、イサクの命は必ず断たれなければなりません。
自分もそのように行動しています。
矛盾するようですが、全くの絶望の中で彼は希望を持ち続けていられたのは、子が生まれる可能性が全く無いところで神がイサクを与えてくださったという事実があったからです。
神の約束は必ず成就すると信じて望むことが神の創り出す希望です。
この希望を体験した者は、現在の状況がいかに絶望的であったとしても、そこに希望を見出し、
「あなたはわたしの誉を増し、再びわたしを慰められるでしょう」
(詩篇71:21)
と、今以上の人生を送る希望と、神からの慰めに満ちあふれる毎日を送るのです。
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神が与える希望を持つ今日として参りましょう。
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