今日のみ言葉【No.2049】(2019年 7月 5日)「山上の栄光の姿(3)」
2019年7月5日
すると、エリヤがモーセと共に彼らに現われて、イエスと語り合っていた。
(マルコ9:4)
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メジャーリーグで活躍する大谷選手や菊地選手を育てたのは花巻東高校の野球部監督、佐々木洋氏です。
彼は監督就任1ヶ月後の秋の県大会で準優勝。夏の大会でベスト4。
「甲子園なんてすぐ行ける」
と思った次の秋の大会では、まさかの地区大会で敗退。
大きなショックを受けましたが、
「これは神様が自分に何かを教えるためにこのような経験を与えてくれている」
と思ったのだそうです。
このように、一旦問題の渦中から身を引き、第三者目線で客観的に自分をとらえ、神中心の視点から見ることができる人は幸いです。
しかし、聖書の中の弟子たちは混乱していました。
その代表がペテロです。
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ペテロは堂々とイエス様が神の子キリストであることを告白しましたが、その直後からイエス様が十字架の受難を語り出したからです。
ペテロの頭の中はこうです。
「イエス様は救い主であり、王となって我々もイスラエルも救ってくださる方ではないか。それなのに、祭司長や律法学者から苦しめられ、死ぬとは何事だろう。そんなことがあってたまるものか。先生も弱気になられる時があるようだ。ここは自分が励ましてやらねば」
そこで彼は
「主よ、とんでもないことです。そんなことがあるはずはございません」
(マタイ16:22)
とイエス様を諌めたので、逆にイエス様から
「サタンよ、引きさがれ。あなたは神のことを思わないで、人のことを思っている」
(マタイ16:23)
と叱られました。
神様のことがわからなくなるのはこういう時です。
自分が思い描いている神様像と、実際が違う時です。
特に、自分が幸せになるために神様が存在すると無意識に考えている人にとっては、自分の思い描いたストーリーと逆行する神からのストーリーが与えられた時、自信も平安も失い、自分の思いにしがみついてそこから離れようとしません。
彼らの限られた理解力でも理解させ、さらに理解を遥かに超えた体験でわからせるために、イエス様は栄光の御姿をペテロ、ヤコブ、ヨハネの3人に現されたのです。
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山の上で彼らが見たものは栄光に輝くイエス様の真の姿だけではありませんでした。
そのイエス様と語り合うモーセとエリヤの姿をも見たのです。
「すると、エリヤがモーセと共に彼らに現われて、イエスと語り合っていた」
(マルコ9:4)
なぜ彼らは山上の二人がモーセとエリヤだとわかったのでしょう?
それは、弟子たちがユダヤ人だということにあります。
旧約聖書を読んでいれば、また、たとえ字が読めなくても子供の頃からの伝統としてイスラエルの神の話を聞いていれば、山の上で神と話したのはモーセとエリヤしかいないと知っているからです。
モーセは律法の代表で、エリヤは預言者の代表です。
律法と預言書とは旧約聖書の核心です。
イエス様が旧約聖書の代表者と話をしていたということは、イエス様こそ旧約聖書の完成者であることを意味します。
3人の弟子たちは、この光景からイエス様の真の姿をさらに悟ったのです。
イエス様の愛は、迷子の羊のような私たちをやさしく導き、思いもよらない方法で光を当て、真理を悟らせてくださるのです。
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先程の佐々木監督ですが、監督という上の立場になればなるほど、周囲の人から教えてもらえなくなることに気づきました。
常に身を低くし、謙遜にならなければ、いつの間にかお山の大将、井の中の蛙になることがわかったのです。
そこで彼は東京にいる恩師にお願いして、練習現場を見ていただくことにしました。
選手に的確な指示を出して練習させ、
「どうだ、俺も成長しただろう」
と見せつけたつもりでしたが、練習を終えた時に恩師が呆れた感じで一言。
「お前が選手の邪魔をしている」
恩師は佐々木監督に、
「冬の間、選手たちに練習メニューを自分たちで立てさせてみろ」
と言いました。
佐々木監督は
「そんなことをしたらこの子たちは好きなことだけやって、嫌いな練習はしなくなってしまう」
と思いましたが、その通りにし、そして春4月になり、グラウンドで練習ができるようになった時、彼は驚きました。
選手たちが互いに話し合い、声を掛け合っている姿があちこちに見られたのです。
佐々木監督は
「彼らに考える力があるにもかかわらず、私が先に答えを出して、考えさせていなかった」
と痛感したそうです。
恩師は彼と全く反対の方向を指し示しましたが、実はそれが佐々木監督が最も欲しかった状態を得させるための最上の方法だったのです。
このエピソードは一般社会の例ですが、私たち人間がそうするのなら、愛の神はさらにそれ以上の思いでもって私たちに関わってくださるはずです。
私たちの思いとは逆のことがなされていると見える時こそ、その背後に流れる神の愛を信じ、神の素晴らしさを体験させていただきたいものです。
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イエス様は試練も栄光も共に見せてくださるお方です。
自分にとって戸惑うことでも、愛の神が共におられることを信じ、一歩ずつチャレンジして参りましょう。
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