今日のみ言葉【No.2020】(2019年 5月29日)「煙の中の皮袋」

2019年5月29日

(ぶどう酒は動物の皮袋に1年ほど貯蔵できる)

わたしは煙の中の皮袋のようになりましたが、なお、あなたの定めを忘れませんでした。
(詩篇 119:83)

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人が誕生し、子育ての時期はだいたい似通ったようなものですが、終わりの時期の過ごし方は千差万別です。

日本には介護保険制度がありますから、みんなそのサービスを受けて老人福祉施設に入るのかというとそうではありません。

また、全員病気で入院するわけではなく、健康を保って自立した方もいれば、怪我をして家族の世話を受けて家にいる方もおり、認知症になって生活できなくなるケースも多くあります。

本当に千差万別であり、これと決まった方程式はありません。

すると、家族は老人ケアのプロではないので、試行錯誤で親の介護をすることになります。

当然それはうまく行かないことの繰り返し、避けていたはずの親との衝突の日々が延々と続くことになります。

「一体いつまで続くのだろうか。早く死んでくれれば…」

と、思ってはならないと思いながら、ついついそう考えて自分を慰め、またそういう自分を責めてしまう、というパターンを味わう人が結構多くいらっしゃいます。

詩篇119篇の記者は、煙の中で燻されるような苦しみの日々を送っていました。

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彼は

「わが魂はあなたの救を慕って絶えいるばかりです。わたしはみ言葉によって望みをいだきます」
(詩篇 119:81)

と、神に信頼を寄せます。

「主にあって不可能はありません。主よ、あなたは最善以外なさらない御方です。全能の主をあがめます!」

という元気な祈りでスタートします。

しかし、苦しみの日々が長期間続き、それがいつ終わるのか見通しが立たないと、初めの勢いは衰えます。

そして、先ほどの祈りは「主よいつまでなのですか」に変化します。

「わたしの目はあなたの約束を待つによって衰え、『いつ、あなたはわたしを慰められるのですか』と尋ねます」
(詩篇 119:82)

この状況を詩篇の記者は続いてこう表現しました。

「わたしは煙の中の皮袋のようになりました」(口語訳)
「わたしは煙にすすけた革袋のようになって」(新共同訳)
(詩篇 119:83)

まさに煙で燻され、表面が真っ黒になり、しわしわになった皮袋のようだというのです。

煙は毎日降りかかってくるストレスのようなものです。

それで今すぐ死ぬわけではありませんが、先が見えないことによって悩み、心も体も徐々に力を失っていきます。

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最近の英語の聖書はこの皮袋を「wineskin」(ワインスキン)と訳しています。

かつて中近東では、ぶどう酒を皮の袋に入れていました。

聖書にこんな例があります。

「だれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れはしない。もしそんなことをしたら、その皮袋は張り裂け、酒は流れ出るし、皮袋もむだになる。だから、新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである。そうすれば両方とも長もちがするであろう」
(マタイ9:17)

このワインスキンが家の中の煮炊きに使われた煙ですすけ、外側は見るも無残な姿になっても、中身は大丈夫です。

もし外気にさらされていたら、ぶどう酒は酢に変化してしまいます。

皮袋の中のワインは守られているのです。

「わたしは煙の中の皮袋のようになりましたが、なお、あなたの定めを忘れませんでした」
(詩篇 119:83)

神はこのような人物へと私たちを成長させるために、苦難の中に置き、煙の中という息苦しい場所を歩ませるのでしょう。

そして、本当に神の御言葉に望みを置く者へと変えてくださるのです。

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神にゆだねると、いつの間にか変えられている自分を発見する日は必ずやって来ます。

神が今日与えておられる試練には意味があることを信じ、煙の中を歩ませていただきましょう。

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