今日のみ言葉【No.913】(2014年10月14日)
神よ、沈黙を守らないでください。神よ、何も言わずに、黙っていないでください。
(詩篇83:1)
——————
故・藤田まことさん主演で人気を博したテレビ番組「必殺仕掛人」。
その生みの親の池波正太郎氏が書く小説は、緻密な構成と人情の機微にあふれ、今でも新たな読者を獲得しています。
その池波氏が、原稿を書くのに、はたと行き詰ってしまった時がありました。
仕方が無いのでぼんやりしていると、塀の上に腹這いになって寝ているネネという猫が目に入りました。
「あんなとき、猫は、いったい何を考えているのだろう?」
そう思って、
「おい、ネネ。何を考えている?」
と呼びかけると、
「ネネは物憂げにこちらを見て、ふたたび、顔をそむけてしまった。」
とその瞬間、小説家の頭の中にひらめきが走りました。
「押しても突いてもくずれなかった小説の壁に、ぽろりと穴が開いた」
と池波氏は述懐しておられます。
人生の行き詰まりの時を耐え忍ぶ時、何気ない日常生活のどこかに、神様は「ぽろり」と穴を開けて下さるようです。
-*-*-*-*-*-*-
今日の聖句は、人生どころか国が行き詰まった時、神に対して叫んだ祈りです。
イスラエルは敵に囲まれ、滅亡寸前でした。
彼らは救いを求め、神に祈りましたが、何も特別な御業が起きません。
かえって敵の思うがままに事は進んでいます。
我らの成すすべなし。
これが神の沈黙の時です。
詩篇の記者は、神を眠りから覚まそうとして揺さぶり動かすように、必死になって
「神よ、沈黙を守らないでください。神よ、何も言わずに、黙っていないでください。」
(詩篇83:1)
と叫び祈ります。
神はこのような真剣な祈りをさせようとして、私たちを苦難の中に導かれます。
そして、本当にもうダメだ、という一歩先のところに、神はその御手を差し出して待っておられるのです。
その神の御手は、
「沈黙を守らないで下さい」
と人間が必死になって伸ばす手だけがつかむことが出来るのです。
-*-*-*-*-*-*-
日本一の落ちこぼれ水族館だった山形県鶴岡市の加茂水族館。
必死になってお客さんを増やそうと思い、村上龍男館長は最後の賭けに出ました。
借金をしてラッコを導入したのです。
しかし結果はあえなく失敗。人は増えません。
振り返って村上館長はこう語ります。
「そん時、思ったねえ。ああ、人の真似しちゃだめなんだ、って。」
いよいよ年間入場者数が10万人を割り、もうだめだ、閉館だ、と覚悟した時のことです。
サンゴの水槽から偶然湧いて出たクラゲの赤ちゃんに目が止まったのです。
繁殖させて展示してみたら、お客さんたちはとても喜んで見ています。
「だったら、もっと増やすべ。日本一、目指すべ。やるなら世界一だ。」
職員一同、育てるのが非常に難しいクラゲの展示に邁進しました。
そして2012年、クラゲの展示種類数世界一としてギネスに認定され、2014年6月、加茂水族館は新たに「クラゲドリーム館」としてオープンしました。
2014年10月5日には入場者数50万人を突破!まだまだ増えていきます。
-*-*-*-*-*-*-
もう一歩先にある神の御手を思い、また一歩、自分なりの歩みを進めて参りましょう。
-*-*-*-*-*-*-
※新規お申込みをなさる方へ
reg@mikotoba.org
へ空メールと送ると自動的に登録されます。
そして1分以内に申込確認メールが送信されます。
3分たっても来ない場合は
maruyama@mikotoba.org
からのメールが迷惑メールと判定され、ブロックされているからです。
そのままだと「今日のみ言葉メール」が受信できませんので、ご自分の「迷惑メール設定」を変更して下さいますようお願いいたします。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません