今日のみ言葉【No.1698】(2018年 1月31日)「 完全な教会」

主もまた、あなたがたを最後まで堅くささえて、わたしたちの主イエス・キリストの日に、責められるところのない者にして下さるであろう。
(第1コリント1:8)

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「友人から離婚の相談を受けました。大汗かいて対応しましたが、次回どうしたらよいか教えて下さい」

という謙遜なお電話をいただきました。

私が聞き方のポイントをいくつかお話しする間、その方はしっかりメモを取り、

「ありがとうございます。私の対応で合っている部分もあり安心しました。この次は先生の言われたとおりにやってみます」

と言って電話を終えました。

私の30年分の経験を10分程度の短い時間で全て吸収されたのです。

問題を宝の山にする人とはこういう方のことを言うのだなと思わされました。

パウロがコリント教会の諸問題に対処するときも同じでした。

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キリストの復活、昇天後、弟子たちはユダヤ、サマリヤ、そして地の果てまで福音を伝えに行きました。

キリスト教の迫害者であったパウロは、ダマスコ途上で天からの光に打たれ、回心し、キリスト教の伝道者として各地にいくつもの教会を始めました。

コリントの教会はそのうちのひとつですが、多くの問題を抱えていました。

コリント人への第一の手紙では冒頭の挨拶文が終わると

「さて兄弟たちよ。わたしたちの主イエス・キリストの名によって、あなたがたに勧める。みな語ることを一つにし、お互の間に分争がないようにし、同じ心、同じ思いになって、堅く結び合っていてほしい」
(第1コリント1:10)

となっています。

つまり、「分争」なるものがあり、「同じ心、同じ思い」にはなっておらず、教会の中はバラバラだったわけです。

しかしパウロは決して希望を失っていたわけではありません。

「主もまた、あなたがたを最後まで堅くささえて、わたしたちの主イエス・キリストの日に、責められるところのない者にして下さるであろう」
(第1コリント1:8)

この御言葉にあるように、神にあって必ず良い方向に変えられることを信じ、教会員を教え諭し、神が呼び集められた「羊」を辛抱強く養い育てたのです。

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これは全世界どこでも同じですが、教会とは罪人(つみびと)から成り立っている集団です。

パウロがコリント教会に対して完全を期待していなかったように、現在の教会の牧師も教会員に完全を期待してはいません。

期待するほうがおかしいのです。自分も罪人なのですから(笑)。

クリスチャンとは自分の罪深さを知らされ、それを神の前にきちんと告白した不完全な人々のことを言います。

そしてそれだけでは終わらず、キリストの十字架によって神との関係が正しくされた今、力の源泉を神に求め、神に手を差し伸べられながら生きる自分の弱さを知った人々です。

しかし、「弱いから、罪人だから」ということを言い訳にはしません。

神の恵みへの感謝の応答としてキリストに似た者になろうとして努力します。

それでも、時には失敗し、また元の古い自分に戻ってしまい、

「教会で話は聞いていたのになあ…。わかっていたはずなのに…。ああ、いつになったら自分は変われるんだろうか…」

と後悔しながら、今一度赦されて生きる人。

それがクリスチャンなのです。

ただし、繰り返される行為が犯罪、あるいは病気のせいであるなら、その場合の取るべき方法は別です。

日常的な範囲内で、私たちは過ちを犯し、法律には触れませんが神の前では罪とされる行為を続けることがあります。

しかし、「責められるところのない者にして下さる」御方がいらっしゃるということを心の支えにして、また再スタートするのです。

教会とはそのような生き方をする人々の集まりだからです。

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最後にキリスト教小噺をひとつ。

ある人が教会に対して不平不満を言っていました。

「この教会には愛がない。牧師の説教もいまいちだ。だいたい、外から人を迎えるような椅子ではない…」

そこで完全な教会を探すための旅に出ました。

あちこち巡りましたが、どこへ行っても満足できる教会は見当たりません。

あきらめかけたところへ、とうとうこれこそ完全な教会だというところを見つけました。

「あそこへ行く人は全て愛に満ちた人たちだ。事前に聞いたCDでは牧師の説教は完璧だった。会堂も美しく素晴らしい。これこそ私が求めていた完全な教会だ!」

喜び勇んで待ちに待った日曜日、その「完全な教会」へと行きました。

ところが、その人が教会に入った途端、その「完全な教会」は「不完全な教会」になってしまいました。

その人が不完全だったからです!

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不完全な自分のありのままを受け入れて下さるイエス・キリストに望みを置き、完全を目指して歩む一日として参りましょう。

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