今日のみ言葉(2011年5月23日)【No.64】

2012年2月5日

「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」
(ルカ2:14)

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今日の聖句は、イエス・キリストがベツレヘムで生まれたことを御使いが羊飼いたちに教えたところです。神の御子の誕生ですから、「いと高きところでは、神に栄光があるように」と、天上で神の栄光があって当然です。ところが、地上では盛大なお祝いがあるように…、ではなく、「み心にかなう人々に平和があるように」とされています。お祭り騒ぎではなく、平和が求められているのです。

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イエス・キリストの救いがもたらされるところには平安があります。平和・平安と訳されている言葉は、旧約のヘブル語ではシャローム。新約のギリシャ語ではエイレーネーです。
エイレーネーは争いのない状態を表します。ギリシャ人は戦争と次の戦争が始まるまでの間の静かな期間を平和と考えました。つまり、波風が立たないでいれば平和ということです。
シャロームは波風が立っている中でも動かない平安です。
「すると、激しい突風が起り、波が舟の中に打ち込んできて、舟に満ちそうになった。ところが、イエス自身は、舳の方でまくらをして、眠っておられた。」(マルコ4:37-38)
嵐で激しく揺られる舟の中で、スヤスヤと眠っていられる平安がキリストの平和です。
この平安をいただいて生きるようにと、神は御子イエスをこの世に遣わし、信じる者全てに救いを与えるのです。この救いをいただいた者は、人生の嵐の時にもキリストの平安に包まれながら歩んでいくことが出来ます。

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津波で街全体が流され、大きな被害を被った石巻市は、過去にも洪水という水害に遭いました。ライオン(株)の創業者である小林富次郎もその当時の被災者の一人です。彼は36歳の時、神戸の教会で洗礼を受け、その後、マッチ製造の子会社の責任者となりました。
マッチの原木1年分を買い付け、川につなぎ止めていた明治24年、操業直前の石巻に大洪水が押し寄せました。一晩で原木は全て流され、下流の橋まで破壊されたため、富次郎はその賠償責任を負わされました。
自殺しようと橋の上にたたずんだ時、ふと御言葉が思い浮かんできました。
「すべての訓練は、当座は、喜ばしいものとは思われず、むしろ悲しいものと思われる。しかし後になれば、それによって鍛えられる者に、平安な義の実を結ばせるようになる。」(ヘブル12:11)
これは洗礼を受けた牧師から届いた葉書に書かれてあった聖句でした。
「神はこの苦難に遭うことも全てご存知で、前もって御言葉を用意していて下さった。そうか、この試練は私を鍛え、成長させるものなのか」と悟った富次郎には、もはや死にたいという思いは消え、「平安な義の実」をこの目で確かめたいという思いが湧いてきました。
彼は工場の機械を売却し、責任を取って辞職。その後上京し、40歳にして再起。石鹸工場を建設し、やがて「ライオン歯磨」を発売。今日のライオングループの基礎を作りました。

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神はあなたにキリストの平安を与えたいと願っておられます。
今日も平和の主と共に歩んで行きましょう。

初期,御言葉

Posted by maruyama