今日のみ言葉【No.1538】(2017年 5月25日) 085 「ピラト」(1)

イエスは答えられた、「あなたがそう言うのは、自分の考えからか。それともほかの人々が、わたしのことをあなたにそう言ったのか」。
(ヨハネ18:34)

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ラスベガスのカジノは有名です。

昔のスロットマシンはジャックポットと呼ばれる大当たりの確率が約10648分の1でした。

現代はビデオスロットとなり、その確立は大幅に減って1億3700万分の1。

しかしお客さんは減りません。

それは、絵柄が揃いそうで揃わないというシーンが多発するように設定されているからなのです。

「もう少しで大当たりだった」というシーンで、人間の脳内では「大当たりしたときとほとんど同じ反応」が発生することが研究の結果分かっています。

しかも、プレイヤーは「負けた」というより「勝った」と感じるのだそうです。

全く巧妙な設計です。

総督ピラトはユダヤ人たちの巧妙なやり方によって、イエス様を尋問することとなりました。

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ピラトからは、このみすぼらしいなりをしたイエスというユダヤ人の男を早く釈放し、面倒なことから逃れたいという雰囲気がありありと伝わってきます。

注目すべきことは、33節の「あなたは、ユダヤ人の王であるか」というピラトの質問に対して、イエス様はすぐ答えていないということです。

ポンと飛んで36節でイエス様は「わたしの国はこの世のものではない」と答えています。

33節→36節という流れなら会話が成り立ちます。

ピラト「あなたは、ユダヤ人の王であるか」
イエス「わたしの国はこの世のものではない」

ピラトの質問に答える前、逆にイエス様の方から34節で彼にこう尋ねています。

「あなたがそう言うのは、自分の考えからか。それともほかの人々が、わたしのことをあなたにそう言ったのか」
(ヨハネ18:34)

実はこれはイエス様のピラトに対する愛の質問です。

イエス様はピラトを一人の人間として気遣っておられるのです。

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イエス・キリストにとって、相手が総督であろうが誰であろうが、一人の人間であることに変わりありません。

この人も救われるべき魂です。

もしピラトが、自分の考えとして「あなたはユダヤ人の王なのですか」と質問しているのだとしたら、イエス様は直ちに彼を神に導くように話されたことでしょう。

しかし、人から聞いたこととして「あなたはユダヤ人の王だそうですね」と関わりを持とうとしないのなら、それに対しては別の対応をなさいます。

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ピラトの反応は

「わたしはユダヤ人なのか」
(ヨハネ18:35)

というものでした。

つまり、「私はユダヤ人ですか?とんでもない、違いますよ。関り合いにしないでくれ」という意味なのです。

そして

「あなたの同族や祭司長たちが、あなたをわたしに引き渡したのだ。あなたは、いったい、何をしたのか」
(ヨハネ18:35)

と続け、「ユダヤ人の間の争いには関わりたくないが役目なのでしょうがない。早く答えろ」と自分の考えを明確に表しました。

これを確認してイエス様は

「わたしの国はこの世のものではない」
(ヨハネ18:36)

とお答えになられたのです。

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イエス・キリストは常に愛の御方です。

この愛に出会い、目の前にし、すっぽりと包まれているのに、ピラトは何も感じません。

感じないどころか、自分の仕事の邪魔になると判断し、その愛を拒み、キリストの関わりを拒否しようとします。

しかし、そのような人も、変わらずに神の愛の中にいることを覚えましょう。

その愛の中に、今日、私たちもいるのです。

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