今日のみ言葉【No.1483】(2017年 2月24日) 068 「病気の息子を持った役人」(2)

イエスは彼に言われた、「お帰りなさい。あなたのむすこは助かるのだ」。
(ヨハネ4:50)

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病気の息子を持った役人に対するイエス・キリストの最初の言葉は何だったでしょうか?

どこに行っても治る見込みがないとされ、最後の最後、わらにもすがる思いで来たお父さんに対してですから、きっと

「主があなたがたのために戦われるから、あなたがたは黙していなさい」
(出エジプト記14:14)

と、紅海を前にして絶体絶命だったイスラエルの民に対してモーセが語ったように、力強い言葉をかけて下さるのでしょうか。

ところが、それは意外な言葉でした。

「そこで、イエスは彼に言われた、『あなたがたは、しるしと奇跡とを見ない限り、決して信じないだろう』。」
(ヨハネ4:48)

これは私の個人的感覚で言うと

「あ〜あ、あんた方は、奇跡を見て信じようとする人たちだもんな…、ハァ〜」

というような、ため息混じりのつぶやきに聞こえます。

今回の奇跡は「第二のしるし」(54節)と書かれています。

「最初のしるし」のカナの婚宴の時、イエス様は

「婦人よ、あなたは、わたしと、なんの係わりがありますか。わたしの時は、まだきていません」
(ヨハネ2:4)

と、一見、冷たく拒否したような言葉を発しましたが、それと同じような唐突な印象を受けます。

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このことは、信仰のあり方に関連する問題となります。

息子の癒しを真剣に求めているこの父親は、

「カペナウムに下って、彼の子をなおしていただきたい」
(ヨハネ4:47)

「子供が死なないうちにきて下さい」
(ヨハネ4:49)

と訴えました。

そこには、彼流の「癒され方」の手順があります。

ここからカペナウムにある自分の家まで行ってもらって、子どもの命がある間に、イエス様のスーパーパワーが宿っている手を置いてもらえば、その癒しの力が体の隅々へ、そして患部にまで行き渡り、すみやかに病は癒され、子どもは元気になる…。

こういうシナリオを彼は無意識に抱いていたのです。

これが「見て信じる」やり方です。

確かに彼はイエス様を人間の理解を越えた力の持ち主だと認めていました。

そして、現代でも多くの人々が宗教に超自然的なパワーを見出そうとしています。

しかしこれは神を人間の理性の範囲内でとらえようとする試みです。

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イエス様が求めておられるのは「聞いて信じる」ということです。

そこで、この父親に対しては、たった一言だけ告げられました。

「お帰りなさい。あなたのむすこは助かるのだ」
(ヨハネ4:50)

この言葉に対して、あくまで自分のやり方で試練や問題という包装紙を開けようとする人は、

「いや、そうおっしゃらずに、ぜひカペナウムの我が家まで足をお運び下さい。ぜひぜひ、お助け下さい。」

と、謙遜に、かつ大胆に求めていくでしょう。

しかし、この場合は違います。

イエス様がこの父親に求め、そして人間に与えようとしていたのは、神の言葉をそのまま受け取り、信じてその通りに行動していく「聞いて信じる」生き方です。

これが問題という包装紙を開けて、その中に覆われ、隠されていた祝福を得るための神の作法なのです。

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さあ、あなたがこのお父さんの立場にいたとしたら、どうされるでしょうか?

サッと謙遜の衣の中に逃げ込み、あくまで自分の思い描いている導かれ方で願いを押し通し、結果を見るまで信じようとはなさいませんか?

あるいは、「お帰りなさい」という言葉を「見放された」とは受け取らずに、「息子は助かるから帰るのだ」と、イエス様の言葉を聞いた通りに信じていかれますか?

ここは考えれば考えるほど難解なところであり、選択に悩みに悩むところです。

しかし時間はありません。

正解や100点満点の答が出るまで待つことができない場合は、あなたの今の不十分だとしか思えない答を解答用紙に書き込むのです。

あとは天にまかせる。

ここに人生の答があります。

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神の言葉を聞いて信じる道をたどる一日として参りましょう。

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